第十九殺
タニシゲ、ササキを従える

5月23日(日) ×横浜−中日○


 前日、横浜・ササキが復帰以来初のホームランをオチョワに浴び、セーブに失敗し初失点を許した。
 そしてこの日はタニシゲが5打数5安打の大活躍で横浜投手陣を粉砕、 ともに横浜にケツを向け、かたやメジャーに、かたや同一リーグに移籍した二人が、 くっきりと明暗を分けたのである。

 そして試合終了後、横浜スタジアムのお客さんはとんでもない光景 を目にする事になる!!


シゲ&ササキ

試合終了後の横浜スタジアムで
ササキを従えて歩くタニシゲ(セリフは想像)


 なんと!!
 名古屋一家のケツボウボウ・タニシゲが、 敵の総大将・ササキをまるで 足軽のように 従えて歩いてるではないか!!

 ドウブツの世界では群れで移動するときは、ボスが先を行くものと決まっている。 当然、タニシゲとササキならササキが前を歩かなければならないのがこの世界の掟だが、 今、タニシゲがササキの前を堂々と歩いている!
 主従は逆転したのだ!!!


☆  ☆  ☆  ☆  ☆



 通常、シーズン中に敵チームの1軍の主力同士が仲良くツルんで歩く、 なんてことは考えられない。
 ましてや試合直後である。二人の個人的な間柄がどうであろうと、 カネを払って負け試合を見に来たファンがそれを見たら、 確実にイヤな思いをするだろう。

 この試合でいえば、ベイファンにとって“裏切り者”であるタニシゲが、 今日は5打数5安打でベイ投手陣をメッタ打ちにした。 その憎っくき敵と我が軍の大将であるササキが、 試合後に楽しそうにどこぞに遊びに行こうとしているのである。 ファンなら「投手陣はタニシゲ対策のミーティングでもしろ!」 「打撃陣はこれから居残り練習だ!」とでも言いたくなるところだろう。 家に帰って「ただいま」を言うまで、試合は終わりではないのに!


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
名古屋 0 0 0 2 2 0 0 4 0 8
横浜 0 0 0 0 0 0 1 0 1 2


 まあ、ササキがベイファンの感情を逆撫でするような無神経な行動をいくらとろうと、 「ササキ様は神様なんだ!」「だって、98年の優勝はササキ様のおかげなんだ!」 とファンが許してる限り、べイファンがいいと言うならそれでいいんだろう。 騙されていても気付かぬ振りをしてせっせとお金を貢ぐ。 宗教とはそういうものだ。 (ただ、負けたときに逆ギレして、 くれぐれも地下鉄にちくわなどバラ撒かないようにして欲しい)

    ※横浜スタジアムでは横浜が負けると、試合終了後にライトスタンドから メガホンとちくわが投げられるらしい。


 しかし、「98年の優勝はササキ様のおかげだった」という 都市伝説は、 名古屋一家の投手陣の球を2年以上受けてきたタニシゲに取っては

    「…もしかして、ササキさん級のピッチャーって、よそにはゴロゴロいるんじゃ…」

 との疑念を抱かせるのに十分であり、また、「優秀な抑えがいるだけでは勝てない」 ということは、 ギャラード・大塚の二人を揃えても勝てなかった名古屋一家での経験で学習していた。 「全てはササキ様のおかげ」 という思い込みが間違いだった事を、 脱ベイして初めて気付いたのである。 そして、ササキひとりの手柄ではないのに、 一人だけ5億円ももらっていた理不尽にも。

      「考えてみれば抑えなんて、勝ってる場面で1イニングだけ抑えりゃいいんだから、楽な仕事だよな。 負けてる場面を逆転しなければならないバッターや、9イニング抑えなきゃいけないキャッチャーの方が、 100倍大変な仕事だよ!」
 落合一家で“自分の頭で考えること”を覚えたタニシゲは、 サルから人間へと確実に進化していた。


シゲ&ササキ

98年と同じくらいの個人成績でも、その活躍が
チーム成績に結びつかないササキに説教するタニシゲ(セリフは想像)


☆  ☆  ☆  ☆  ☆



落合  「(タニシゲ5の5に)ウソッ!
  ここに自分の土地を買ってあるんだろ?自分のところでは打たなきゃ」
 
立浪  「でも、監督も都内に自分の土地もってますよね。
  なのに神宮のヤクルト戦で3連敗…」
 
落合  「…そんなこと言ったらタツ、
  お前はススキノ、吉原、金津園、十三、中洲、
  全国のほとんどに自分の土地 を持ってるじゃないか」




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