第十六殺
福留、先輩から受け継ぐもの

5月16日(日) ○中日−横浜×




 この日3安打と固め打ちした 立浪 (34歳、娘中学生) が、なんと
 5月に入ってからの打率を.429
 としていることが(中スポの1面見出しで)明らかになった。


 しかし、まだ5月中旬。 各チームを調べればこういった選手の一人や二人はいるはずだが、 この事実をトーチュウでは翌々日の3面に見出し入りで、 大本営・中スポでは 1面トップ記事 で取り上げたのだ!

 これが並の選手なら、
 「月の半分で4割なんてよくあることじゃん?」
 「そりゃあれだけ打ってれば、4割くらいいってるだろ」
 と思うところが、さにあらず。
 何しろみんな、
  立浪がそんなに打っていた記憶が全くない
 のである。
 これは4割バッターとしては実に珍しいケース。 打ってるイメージが全然ないのに4割なのだ。

 いつの間に!


落合  「福留、この立浪のバッティングから何を学ぶ?」
 
福留  「……」
 
福留  「スタートでコケても、帳尻合わせでチャラになる!」


 「立浪はベテランだから大丈夫。心配してない」(落合)
 「寒いときに試合して、故障したら大変だから」(立浪)

 と、“オレ流調整”で注目された立浪だったが、 見事に開幕に間に合わず、明らかに仕上がってない状態でも「アイツは大丈夫」と言った手前、 使わざる得ない、ある意味では故障するより厄介な事態 になりながら、その件についてはチーム・マスコミ共にアンタッチャブル。 “5月前半”というかなり期間を区切った「4割」に、 中スポは「さすがは立浪!」とまるでオープン戦の調整失敗がチャラになったかのような扱いで、 若手からは 「別の意味で、さすがは立浪さん!」 と驚嘆の声が上がっている。



 そして。
 前日、力投する川上を尻目に4タコで何の役にも立たなかった4番・福留が 今頃 火を噴いた!!


4番 福留 左本 左2 中2 右安 左本


 なんと、5打数5安打、2ホームランの6打点!

 「なんでこのうちの1本が昨日の試合で出ないんだ!」
 「五日間に分けて打て!」

 とは偽らざるファンの本音だが、復調の兆し著しい福留の陰で、 PLの先輩・立浪の活躍がキラリと光る。


3番 立浪 右安 四球 中安 一ゴ 右安
4番 福留 左本 左2 中2 右安 左本


 なんと、二人で10打数9安打!

 先輩・後輩のこの2人の活躍で、名古屋一家は怒涛の8得点を挙げたのである!


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
横浜 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
名古屋 2 0 2 0 1 0 0 3 x 8


落合  今日は別に、2点あればよかったんだけどな…
 
福留  ここで(無駄に)5安打とかやっておけば、
 昨日の4タコはチャラになるんですよ!


 昨日は昨日、今日は今日なのに、 「昨日、憲伸さんを助けられなかったので…」 とヒーローインタビューで言い放った福留。 “立浪2世” はやはり森でも森野でも森岡でもない、 正統伝承者・福留が脈々と受け継ぐのだ。




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