第十五殺
川上、ひとりで出来るもん

5月15日(土) ○中日−横浜×


 まわりの期待を、僕はプレッシャーだと思ったことがありません。 そのまま励ましの声として受け止めています。 それだけ僕を注目してくれているんだなと思うと、 うれしいじゃないですか。 試合中、相手バッターの応援歌が流れたりするでしょう。 あれで僕のほうが勢いづいちゃうこともあります。 自分の応援歌のように聞こえるんですかね。 とんでもない勘違い野郎ですけど、 僕は何でも自分に対する励ましに変えちゃう んですよ。

- KTC中央出版『別冊トップランナー・川上憲伸』より



落合  素晴らしい!
 お前こそはプロ中のプロだな、憲伸!
 
川上  いやあ、そんな事ないですよ。
 でも、エースたるもの、逆境は力に変えないと!
 
落合  味方が点を取ってくれなくても、お前なら
 「自分に対する励まし」に変えられるな!
 
川上  そりゃもちろ…

 え?
 


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
横浜 0 0 0 0 0 0 0     0
名古屋 0 0 0 0 0 0       0


福留  「川上さんスミマセン!また三振しちゃいました!」
 
オチョワ  「オー、マタげっつーヨ。ゴメンねケンチャン☆」
 
岩瀬  「完投頼むぞ!憲伸!」
 
川上  これはオレに対する励まし…励ましなんだ…
  オレのときだけ何故かみんな打たない&リリーフが失敗する のも、
 「エースとしての自覚を持たせる」ための励ましなんだ…。
 励ましなんだ…励まし…
 そうさ、はげまし…ハゲ…



ガッキーーン!


怒りの一発!

川上、ホームラン!

誰がハゲじゃコラーーー!!!



  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
横浜 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
名古屋 0 0 0 0 0 0 2 0 x 2


 味方の“貧打”というハゲまし に燃えた川上が、自らの2ランで決勝点!
 投げては13奪三振無四球完封で、ひとりでゲームを完成させたのだった。




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