第五殺
川上、“甲子園の魔物”と戦う

4月11日(日) ×阪神−中日○



 前回の登板では11イニングを投げ切った川上。
 疲れが残っていないわけはない。
 その川上に、 “甲子園の魔物” が襲いかかる!!

 颯爽とマウンドに立った川上の目に、仰天文字列が飛び込んで来た!!

「あ、あれはッ!?」

甲子園の広告


25才からの育毛剤  ヘアリパワー


 なんと!!
 甲子園のバックネット下の広告スペースに、 育毛剤の広告 が!!


岡田  「クックック…。気になるやろう、気になるやろう、川上。
 髪の毛は早いうちに手を打っておかな、あかんでぇ。
 カケフさんみたいに、なるでぇ」




 川上を技術的に攻略するのは難しい。 そこで策士・岡田は、精神的揺さぶりをかけてきたのだ!

 ところが、である。

 ガッキーーーン!!


川上、広告に燃える!

川上、自らタイムリー!(バックには「へアリパワー」の広告)



 川上、投打に大活躍!!
 投げては5回まで2安打ゼロ封、打っては2回に自らのバットでタイムリーヒットを放つ、 鬼神の活躍を見せたのである!!


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
名古屋 0 2 1 0 0         3
阪神 0 0 0 0 0         0


岡田  「バ…バカな…!
  川上は気にならないのか! あの育毛剤の広告が…」



一方その頃、レフトを守る阪神の金本は、 試合そっちのけ で一つの事に心を奪われていた。



金本  「気になる…気になるぞ…。あの育毛剤の広告…!!」
金本  「甲子園で大活躍すれば、スポンサーの目に留まり、うまくいけば
 アドバイザリー契約
 が結べるかも知れん!」



 野獣・金本の目がギラリと光った。


☆  ☆  ☆  ☆  ☆



 そして5回裏、激投を続ける川上から、金本が2ランホームランを放つ!!


 ガッキーーーン!!


燃える金本

「アドバイザリー契約を結べば育毛がタダに!!」


川上  「しまった! 金本さんに打たれてしまった…
 これではアドバイザリー契約が!!」




 そう、「育毛剤を気にして川上の気がそがれる」という岡田監督の目論見に反し、 川上は、アドバイザリー契約獲得を目指し、 普段以上の力を発揮していたのである!


 …そして、金本も!

川上
「まだ間に合う!」
金本
「まだ間に合うんだ!」

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
名古屋 0 2 1 0 0 0 0 1 0 4
阪神 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2


 バックネット下の育毛剤の広告は、川上に「もうダメぽ」という絶望ではなく、
 「まだ間に合う」という希望
 を与えていたのだ!!




監督  「カツラ屋の広告にすればよかったのに」

岡田  「あっ、そうか!!」




- 新・必殺それペナ稼業! -