それペナ2002/センイチの逆襲

【中日分裂編・中村さんの乱】

12月28日(金)中村さん、ベイ移籍!

 「(3年の複数年契約主張は)たかが1年かもしれません。でも、他の選手の事も考えて、 最後くらい 自分の主張を通そうと思ったんです」という言葉に、 もう中日辞めるのでこれが最後の交渉 との意思がはっきりと感じられた中村さん。 そんな形だけの第2回交渉のわずか2日後、 中村さんのベイ入団発表が行われた。 伊藤一球団総括は「シゲシゲと入れ替わることになったが、 (有利不利の条件は)お互いに同じでしょう」と、 気になるのはサインやデータの相手チームへの流出だけの様子。 中村さんの抜けた穴はシゲシゲで埋まるだろうが、 選手やファンの心の穴は埋まらない。

12月27日(木)久志監督、遺留せず

 「現場の意向を聞いてから」との言葉通り、 この日、中日・西川球団社長と久志監督で話し合いが行われ、 当初の予定通り 中村さんをトレードで追い出す方針を決定した。 それまでさんざん「シゲシゲと中村さんを併用して使う」と 本人ではなくマスコミに向けて のみ発信していた久志監督だが、 遺留の意思は1ナノミリとて見せることなく放出を容認、 もとから併用するつもりなどなかった事がここであらためて明らかになった。 使うつもりがないのに「競争させる」と騙して残留させられ、 結果 イニングの合い間のキャッチボールの仕事を大西と競争 していた久慈・J.LEEと同じ過ちを危うく繰り返すところだった中村さんだったが、 この日行われた他選手の契約更改では、 来シーズンその過ちを繰り返す予定の山崎武司 が、球団の中村さんに対する処遇について激しく問い詰める場面もあったという。

12月26日(水)中日、中村さん放出!

 この日、中村さんとの二度目の契約交渉に挑んだ中日は、 中村さんの「自由の身にしてください」との要望に 「待ってました!」 とばかりに放出を約束、中日を追い出すことを決めた。 伊藤一球団総括は「条件が変わることはもうない。 外でやりたい気持ちが強い ようだ」と、これまで散々「中日で最後までやりたい」 と繰り返し発言してきた中村さんのコメントを全てデリート、 “球団が要望を聞いてくれないから外に出たい”という中村さんの意思を “本人が出たいというから要望を聞かない”と逆転解釈、 中村さんとの話し合いがまとまるわけのないその原因をありありと浮き彫りにした。 自由契約を希望する中村さんに対し球団は、 さんざん中村さんに失礼な事を言い続けてきたその口で 「自由契約や人的補償は本人に失礼」と豪語、 戦力外にした選手でもう一儲けたくらむ ためにトレードにする構えだ。

12月25日(火)シゲシゲ、中日入団!

 シゲシゲ(ハマの司令塔)が(英会話を覚えられず)中日移籍を決定、 しかし起用法について何の説明もない中日球団に、 中村さんが不快感をあらわにした。 「シゲシゲを獲るのは全然、気にしていないんですけど、 『シゲシゲと併用したい』という話も、 伝え聞くだけで直接はだれ一人してくれない」 と、 球団がシゲシゲに約束した「レギュラー確約」について、 約束そのものは撤回していなかった 事実を激白、「中村と併用する」という久志監督・フロントの発言は マスコミ向けのその場しのぎのリップサービスだった事が明らかになった。 中村さんは 「お互いのことを分かっているようで、本音が伝わっていないのは事実」 と、球団の本音

 (シゲシゲとったからお前もういらない)

 と、中村さんの本音

 (シゲシゲと正捕手を条件に契約したんやったら、 3年契約したってわし3年間ベンチで針のむしろやんけ。 まず正捕手確約を撤回しろって言ってるんじゃ)

 の間で、17年間在籍した球団から「追い出されるか」「自分から出て行くか」 の苦渋の選択を迫られている。


12月16日(日)中日、中村さんを放置プレイ

 11月30日に1回目の契約交渉で金額提示すらされなかった中村さんに、 球団が2回目の契約交渉の予定を立てず、 半月以上も無視を決め込んでることが明らかになった。 「17年間やったきたのに(交渉日時打ち合わせの)電話がならないのは寂しい」 と不信感をあらわにする中村さんだが、かつて 「球団から契約の連絡がまったくなかった」 ことで球団との信頼関係が悪化、 挙げ句FAで飛び出した当時ダイエーの工藤・武田の前例 は球団も知ってるはずだけに、 中村さんに自分から出て行くようにし向ける球団側の巧みな戦略 は着々と進んでいる。

11月30日(金)中村さん、第一回交渉

 この日おこなわれた中村さんの第1回契約交渉で、 FA宣言しているシゲシゲ(ハマの司令塔)に正捕手確約を提示したことについて、 球団から中村さんに事情説明と謝罪があった。 伊藤一球団総括は中村さんの 「レギュラーは競争で奪い合うもの」という主張に、 「おっしゃる通りです」と詫び、 さらに中村さんに複数年契約と 確かシゲシゲにも約束したはずの「将来の指導者のポスト」も口約束、 両者のわだかまりは解消された かのように見えた。 が、このとき提示されなかった契約年数、 そして 謝罪はしたものの撤回はされなかった 「シゲシゲ正捕手」の確約が、のちに中村さんの反乱を呼び起こすことになる。

11月28日(水)中村さん、複数年要求

 昨オフの契約更改で、 伊藤修球団代表(当時)が中村さんに対し、 「出場120試合で複数年契約」という「出来高」を約束していたことが明らかになった。 どうせまた鈴木郁がレギュラーを獲るとでも思って適当に口約束 しただけの事とは思うが、口約束といえど約束は約束。 かつて門倉(中日→近鉄)が同じように、「2ケタ勝利で500万上乗せ」 という出来高払いを球団と口約束、ところが翌オフになって 児玉代表補佐(当時)が「そんなことを言った覚えはない」とスラッとぼけ、 結局うやむやにしてしまった前歴があるだけに、 中村さんとしてはトボけられる前にマスコミを利用して約束があったことをアピールした格好だ。 しかし、このとき中村さんは忘れていた。 門倉が口約束の履行を主張した翌シーズン途中、 厄介払いでもされるように近鉄に電撃トレード された事を。

11月9日(金)中日、シゲシゲにレギュラー確約

 FA宣言しているシゲシゲ(ハマの司令塔)と中日の第1回FA交渉が行われ、 中日・西川球団社長が
(1)正捕手としてレギュラー確約
(2)将来の指導者のポストを用意
(3)横浜を上回る3年7億円以上
の破格の3条件を提示した。

(3)…確か前田幸がFA宣言した際、 「他の選手とのバランスがあるので前田に3年3億以上は出せない。 そんなことをしたらチームがバラバラになる」 といって前田幸を追い出した中日の、 どこをどうバランスを取った結果「3年7億」なんて数字が出てきたのか

 また、

(1)…確か去年は「鈴木郁を育てる」、 今年は「清水清を育てる」、 来年は「前田章・田上を育てる」と言っていたはずの中日の捕手育成計画の、 一体どこから 「3年複数年、レギュラー確約」などという言葉がひねり出てきたのか

 というのは大いに気になるところだが、まあそれも

(2)…シゲシゲが指導者になるようなチームのフロントなら、 何も考えてないのは至極当然

といったところなのか。のーんのーん。