今週のドラゴンズ (5/10)


竜軍にまともなコーチ?

その男は、2軍にいた

 貧打に嘆くドラゴンズの“救世主”は意外な男かも知れない。 その男の名は、「代打でトーク」でおなじみの川又米利。 現役時代は「勝負強い彦野」に対し、「笑顔がさわやかな川又」 として代打の両輪を担った男である。

山崎、2軍で能天気

 打撃不振で2軍落ちしている山崎だが、ウエスタンでいきなりの2安打を放ったときには、 「気持ちの上でリフレッシュしてお呼びのかかるようにしたい」 と、 「時間がたてば呼び戻される」とでも思っていたのか 全く自分の立場を把握してないコメントで無駄にファンの反感を買っていたが、 現実には山崎の2軍落ちは

・(練習では打つのに)本番で打てない
・(ランナーがいないところでは打つのに)肝心なところで打てない

 ところが問題なのであり、 2軍でいくら打とうと、山崎の抱える本質的な問題は解決しないのだ。

山崎に欠けているもの

 これまでも山崎は、「僕に期待されてるのは、ホームランですから」 「3割30本100打点で2億円!」などと、誰が吹き込んだのか 大きな誤解と誤った目標 でみんなを笑わせ、誰もが予想しながら自分だけは予想してなかった無限の闇をさまよっていた。
 しかし、2軍に落ちた山崎に、今までみんな思ってた言葉を、 ついに言った男がいたのである。 誰あろう、川又打撃コーチだ。

 「打って当たり前。三振したときのように、合わなかったときにどう合わせるか。 そこの部分をやっていってほしい」

 ああ、川又よ!
 これまで「打てないのは気持ちの問題」と コーチングを放棄 していた水谷コーチ、 「打てないのは練習が足りないからだ。素振り!素振り!」 と、大型扇風機の 風圧を上げる ことに一所懸命だった佐々木コーチと違い、はじめてまともなアドヴァイスが!

 川又は 山崎に、「三振したときは、その理由を考えようよ」と、 今までどのコーチも教えなかった“反省”の2文字 を学習させたのである。

やまさき
AVG:186
HR:1
HP:3
LV:33
あそびにん
 やまさきは「はんせい」をおぼえた!
 やまさきの「ちりょく」が1あがった!
 やまさきの「かしこさ」が1あがった!


早く人間になりたい!

 5月9日時点での山崎武司のウエスタン成績は、27打数12安打、打率.444。 数字を出すことが目標ではない。 「どうすれば三振しないか」 「どうすればポップフライを上げないか」。

 “考えること”を覚えた山崎が、入団17年目、ついにサルから人間に進化する。


素人コーチで構造改革

 現役引退後はおもにバラエティで活躍、 その合間を縫ってごくまれに野球解説を (テレビ放送が始まる前までの午後7時まで、ニュース枠の中で) やっていた川又。野球中継では 素人みたいな解説 で茶の間の中日ファンをドキドキさせ、 中日2軍コーチ就任時は「よ、よねちにコーチなんか務まるんだろうか」 とこれまた中日ファンをドキドキさせていたが、 素人ならではの基本的な視点 はこれまでの中日には無かったもの。 調子を崩すとすぐに打撃フォーム改造させ もっと調子を崩させるといった今までの中日の“悪しき慣習”に逆らい、 構造改革の波をもたらすか。

 中日の明日は川又が握っている。
 がんばれよねち。 分からなくなったら奥さんに聞いていいんだぞ。