今週のドラゴンズ (5/9)


中間順位予想

東海地方に丸坊主注意報!?


 今年のシーズン前、評論家による順位予想での中日の前評判は散々で、 中日ファンからは
 「まったく、あのバカどもは何を見てるんだ!」
 「見返してやれ!竜戦士たちよ!」
 「予想のはずれた評論家は丸坊主だ!」
 と意気揚々たる声が上がったものだが、 シーズンが始まって1ヶ月半、 阪神の快進撃、安定した読売勢力、中日・横浜の低迷と、 ここまでのところ 結果は評論家の予想通り に推移しており、 ナゴヤドームでもちらほら丸坊主の中日ファンが目立つこの頃だ。

中日は1ヶ年計画

 ちなみにsato23は、3月27日に

    1位広島
    2位読売
    3位中日

 と予想しているが、中日は5月の声を聞く前に早々と消化試合に突入、 オーダーはポリシーなく代わり、新外国人は補強されず、 朝倉・小笠原・山井・森野など若手が1軍で経験を重ね、 よそのチームが消化試合に入る夏後半から秋にかけてベストオーダーが完成する 「今季まるほど消化試合計画」 は順調のようで、 シーズン終盤には怒涛の追い上げが見られそうだ。

数字のマジック

 さて、現時点(5/9)で首位は阪神、0ゲーム差の2位に読売がいる。 「このまま行くと」どうなるか。

読売 阪神 ヤク 広島 中日 横浜
読売 --- 1-3 4-2 4-1 4-4 7-2
阪神 3-1 --- 3-5 6-1 2-3 5-1
ヤク 2-4 5-3 --- 2-4 5-2 3-2
広島 1-4 1-6 4-2 --- 5-1 3-1
中日 4-4 3-2 2-5 1-5 --- 4-1
横浜 2-7 1-5 2-3 1-3 1-4 ----

 各チーム別対戦成績は上記の表になる。 確かに阪神と読売は貯金数で並んでいるが、 だからといってこれを「横並び」と見てはいけない。 なぜなら、読売は横浜と9試合も消化し、貯金「8」のうち「5」がこの横浜戦なのだ。

横浜銀行をめぐる利権

 横浜TBS銀行はみんなの銀行。特に「読売に弱い」 わけではなく 「みんなにまんべんなく弱い」横浜は、全球団に同じように貯金を提供するだろう。 いわば、読売は 給料の前借り をしてるようなもので、今だけの一時財産。 この給料は後にみんなにも払われるお金なのだ。

 「横浜との試合を多く消化している」ということは、 「横浜との残り試合が他球団より少ない」と同じである。 優勝の行方は「横浜との残り試合の数」が握っている と言われる今シーズン、読売不利は明らかだ。

お客さんは誰だ!?

 そうなると、大事なのは今ある貯金ではなく、トータルの利率である。 対戦成績を率にしたのが下の表だ。


読売 阪神 ヤク 広島 中日 横浜
読売 --- .250 .667 .800 .500 .778
阪神 .750 --- .375 .857 .400 .833
ヤク .333 .625 --- .333 .714 .600
広島 .200 .143 .667 --- .833 .750
中日 .500 .600 .286 .167 --- .800
横浜 .222 .167 .400 .250 .200 ---

 この勝率/敗率が1年間続くとすると、1チームあたり28試合、140試合の総合計は下表にようになる。

読売 阪神 ヤク 広島 中日 横浜
読売 --- 7-21 18-10 22- 6 14-14 21- 7 82-58
阪神 21- 7 -- 10-18 24- 4 11-17 23- 5 89-51
ヤク 10-18 10-18 --- 9-19 20- 8 16-12 65-75
広島 6-22 4-24 19-9 --- 23- 5 21- 7 73-67
中日 14-14 17-11 8-20 5-23 --- 22- 6 66-74
横浜 7-21 5-23 12-16 7-21 6-22 --- 37-103

 このまま行くと順位は、(1)阪神(2)読売(3)広島(4)中日(5)ヤクルト(6)横浜。

 しかし、(やる気のない中日球団以外)各球団ともこのまま終わるわけはなく、 ひと通りの対戦を終えた5月以降は、対戦成績・相性などを考慮し、 各チーム毎に対策を立てて来るのは間違いない。

カープは「悪代官作戦」

 カープは「下位に強く、上位に弱い」という 時代劇に出てくる悪徳代官のような作戦 で 阪神・読売を油断させる事に成功しており、 これでセンイチや読売の若大将が「広島は安パイだ」と思い、 カープ戦では手を抜いて来ることも計算済み。
 序盤は上に媚びへつらい、信頼を得ることで安心させ、 いざとなったら刀を抜く構えの浩二カープ。 そして終盤、阪神が優勝争いから消えたときには、 センイチと共闘し、これまでの「貸し」を一括返済させる“隠しカード”を手に、 今は虎視眈々と上位争いを眺めている。

中日、四面楚歌

 首位争いをしている阪神・読売は、共にどういうわけか中日を苦手にしており、 今後は対中日戦にも 桑田・武田・工藤といった中高年サラリーマン層からの支持を得ようとする捨て試合 ではなく、本腰を入れてかかってくるだろう。

 中日はシーズン前に監督が公言していたとはいえ、 ちょっと阪神・読売戦に力を入れすぎか。 ちょっとここらで真剣にヤクルト・カープ対策でも練らないと、 目標の3位も怪しくなりそうだ。

 ただでさえ阪神・読売に的にされてる上に、 ヤクルト・カープからも鴨にされてる中日。 もう「神宮専用ホームランマシン」はいないのだ。