今週のドラゴンズ (3/14)



“本番モード”で負け

相手は1軍半

 「これからが本番だ!」と、 オープン戦なのに目先の勝利を求めた1軍レギュラーオーダーで挑んでいる中日だが、 勝ったのは最初の1試合だけで、2試合目は 福井とか十川がスタメンで出ている“よみうりランド・ジャイアンツ” に8−2と惨敗した。

 とは言っても、もともと中日はその前から「レギュラーオーダー」で挑んで(負けて)おり、 今は「本番オーダー」と 呼び方を変えただけ なので、 理想と現実の板ばさみの中でかかなくていい恥をかいている中日スポーツ 以外の関係者には、さほど意外な結果ではないといえる。


打倒・タイガース!

宣言通り、今年の目標は阪神

 どうしてこんなに弱いのか。 しかし、これは山田新監督が言っていた今シーズンのドラゴンズのテーマである 「打倒・タイガース!」を考えれば納得がいく。
 昨年までの順位、チームの総合力から判断すれば、 「読売>中日>阪神」という力関係は歴然なわけだが、 「打倒・読売」ならば中日は今の戦力をアップしなければならないが、 「打倒・阪神」ならば中日は今の戦力をダウンする事でより阪神に近づけるのだ。
 「打倒・タイガース!」を掲げた今年、ここまでの経過は「予定通り」。 山田竜は目標に向かい、一歩一歩進んでいるのだ。

影の勝率・6割6分!

セリーグ眼中に無し

 悲観的な材料ばかりではない。 中日はここまでオープン戦12試合を消化し、 2勝7敗3分と大きく負け越してはいるものの、その内訳をみると、

23 24 1 2 3 5 6 8 9 10 11 12 14











西


  • 対セリーグ…0勝6敗
  • 対パリーグ…2勝1敗3分
 と、セの球団相手に全敗こそしているものの、 パの球団相手には2勝1敗と勝ち越しているのだ。  これは勝率になおすと .667という高率で、 シーズン中なら優勝争いの出来る数字である。

その先にあるものは

パリーグの“盟主”に

 かつては「人気のセ・実力のパ」といわれたものだが、 現在、日本のプロ野球は人気・実力ともにセリーグが圧勝、 格差は広がるばかりだ。そして低迷するプロ野球人気。 これは読売が強いとか弱いとかではなく、 読売以外の球団を一般のファンが注目しないことに問題があるわけだが、 現状を打開するために期待されるのはセパ交流戦、 そしてさらに一歩進んで、セパ入れ替え戦である。
 実力の下とされるパを2部リーグとし、セの6位とパの1位を入れ替える。 「安定」よりも「競争」の方が活性化につながるのはリーグ運営でも同じだ。
 そんな「プロ野球の将来」を見据え、中日は今からライバルを万年最下位の阪神に絞り、 2部リーグ(パリーグ)での戦いに備え、 パリーグ球団相手に闘志を燃やしているのである。