２日目。今日は北谷で日ハムとの試合だ。
　「今日はレンタカー借りて行きましょう」
　会長がレンタカー屋で車を借り、国道５８号を北谷方面へ北上した。

　中日vs日本ハム。前日は沖縄市内にブッコミで宿泊したという森兄弟は、 朝から北谷入りし気合いが入っている。先発は２年目に賭けるサムソン。 天気は昨日とうってかわって快晴、 山本昌・川上も登板予定で絶好の野球観戦日和だ。
　昼１２時。
　試合時間が近づくにつれ、緊張と興奮が高まる。 はずだったのだが、その時間、我々は何故か 恩納・琉球村で ハブとマングースショー を見ていたのだった。

（「琉球村」は恩納村にある）

　「ハブの毒は血液毒で、噛まれたら大変ですが飲む分には滋養強壮になります。 これで夜の生活もひと安心！」
　とみのもんた級の下ネタ で観客の熟年女性を笑いの渦に叩き込む、 謎の白衣の人物が通称「ハブ博士」だ。
　熟女をメロメロにするハブ博士の爆笑トークの中、「ハブvsマングース対決」が終了、
　「さて、そろそろ」
　「うん」
　「ハブ見てる場合じゃないですな」
　「応！気合は十分！」
　「じゃ、今中でも探しますか」
　それから小一時間ばかり、琉球村を探索した。

　まるで観光客気分。

　事件が起きたのはオープン戦のプレイボールもかかろうかという午後１時頃、 今回の沖縄『今中発見ツアー』の幹事でもある（お世話になりました）BULLYさんが、 琉球村出口でポーポー(*1)を食べながら爆弾発言をしたのだ。

　恩納から南へ下るレンタカーの中、我々は今後の心配をしていた。
　「どうしましょう、チケット」
　「那覇まで戻ってたら試合終わっちゃいますね」
　「係の人に事情を話して、タダで入れてもらいましょう」
　「そんなこと、出来るんですか？！」
　「沖縄の人、やさしいから」

　チケットを手配してくれた「北谷ドラゴンズ協力会」の人に電話すると、 事情を考慮してタダで入れてくれる事になった。
　沖縄の人はいい人だ。

　既に球場で観戦をしている森さんに携帯で電話し、状況を説明した。
　「…で、今、何処にいるんですか？」
　「えーと、車で北谷へ向かってる途中です」
　言葉にせずとも電話の向こうから 「貴様ら何しに沖縄まで来たんだこの糞馬鹿。東京へ帰れ」 といった雰囲気がひしひしと伝わって来る。
　「ヤマ、どうなりました？」
　「今、ちょうど投げてます。メッタ打ちでボロボロです」

　途中、渋滞に巻き込まれながらも何とか北谷球場についた。
　駐車場に車を止め、球場に向かうとアナウンスが聞こえてくる。
　「ファイターズ、ラッキー７の攻撃です」
　ああ、何でこんな事に。
　球場に入ろうとすると、球場外の練習場で 川上と小笠原 がキャッチボールしているのを発見！
　「くわわわっ！川上！川上だ〜ッ！」

　川上を思う存分キャメラに収めたあと、球場入り口に向かう。
　「…あれ？ヤマじゃない？」
　「まさか。試合中なのにヤマがこんなとこいるわけないじゃん」
　「くわわわっ！ヤマ！ヤマだ〜ッ！」

　球場外に出てきた山本昌を発見、猛ダッシュで「写真撮って下さい！」とお願いした。 ヤマは まるでＫＯ直後のような 不機嫌そうな声で、「んー？いいですよ」とぶっきらぼうに答えた。

メッタ打ち直後のヤマ兄さんと２ショット

　試合も終盤という事で既に入場はフリー。心配するまでもなく誰でもタダで入れる状況になっていた。
　一塁側内野スタンドで森さんと合流し、遅刻の理由でケチョンケチョンに罵られたあと、 ９回に川上憲伸が登板。 川上は、何だかよく分からないバッターに打ち取ったレフトフライが ショート福留とレフト筒井のお見合いで草野球のようなヒットの後、 何だかよく分からないバッターに打ち取ったショートゴロがイレギュラー・バウンドで福留の頭を越え、 バックアップに誰も入っておらず 草野球のようなランニングホームランを食らい、 直後に何だかよく分からないバッターにホームランを浴び、 １イニング３失点と火だるまで試合はボロ負けした。

　ところで、試合中、ヒマでヒマでしょうがない立浪選手会長が、 盛んに一塁側ベンチ前を出入りしていた。

「ん〜、今夜は何処に繰り出そうかな〜」

「明日は休みだし、今夜は張り切るぞ〜」

「そうと決まったら今のうちに寝だめだ！」