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G's Jun !

六月前半
_1_2_3_4_5 _6_7_8_910 1112131415
読売





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六月後半
1617181920 2122232425 2627282930
読売
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(○…勝利、●…敗北)

三十四勝三十敗(二位)

六月一日(火) 読売、巻き返しへ強行手段

●中3−4読○
桑田→西山→柏田→木村→S槇原)

 「六月は五割に戻せばいいんです。ラッパを吹いてるんじゃない。自信がある。ちゃんとした理由がある」 と現在の借金“五”の返済に不気味な自信をのぞかせるしげお君だが、 首位・中日との三連戦の緒戦、いきなりその「自信の理由」をのぞかせた。 まずは初回、仁志のホームへの殺人スパイクで中日の正捕手・中村を病院送りにしたあとは、 コントロールには定評のある桑田が李に二打席連続のビーンボールで二回目にスナイプ成功と 前の阪神戦でメイの三つの死球が与えた知恵をフルに発揮すれば、 とどめは六回、西山の乱調で無死満塁一打逆転のピンチとなったところを、 中日代打・渡辺が左足にぶつけた自打球に、 読売戦でジャッジをする度に「審判がおかしい、審判がおかしい」 としげお君に名指しでバッシングされその去就が注目されていた橘高主審が何と「フェア」の判定、 ガルベス事件以来執拗に読売グループ全体で橘高批判を続けてきたその効果がここに来てあらわれた格好でまんまとピンチを切り抜け、 読売の「ちゃんとした理由のある六月攻勢」がにわかに現実味を帯びてきた。

六月二日(水) 読売連勝!そしてヒ−ローは

●中2−3読○
(ホセ→木村→柏田→槇原→S河野)

 緒戦を卑怯卑劣な勝ち方をした読売が勢いに乗り二連勝。 お立ち台に選ばれたヒーローはもちろん、 好投のホセではなく、ツーランの二岡でもなく、 今日の中日スタメンから「予定通り」中村タケシの名前を消し去ったヒットマン・仁志だった。

六月三日(木) 読売、コテンパン!

○中7−0読●
入来祐→三沢→岡田)

   →「D's Jun.」参照

六月四日(金) 読売、五点差をひっくり返される!

○横9−5読●
(ガルベス→木村→柏田→槇原→河野)

 賢い犬は一度受けた恩を忘れないというが、 一度成功した継投は忘れないのがしげお君だ。 二日の中日戦で槇原をワンポイントで使い偶然成功した事を覚えていたしげお君は、 この試合でも八回、一点リードで一死満塁のピンチによせばいいのに槇原を投入。 このところ三沢・西山より更にピンチに弱くなっている槇原がこの場面を凌げるはずなどもちろん無く、 カッコーン、と波留に景気のよい逆転満塁ホームランを献上、 一時は五点あったリードをスッテンコロリとひっくり返され逆転負けした。 読売はこれで今シーズン三度目の「五点差リードひっくり返され」で、 球団史上五十一年振りの快挙となる。 だが、六月の読売は今までとは違う。 中日の三連戦緒戦で中村・李をスナイプしたのと同様、 今度はガルベスがポゾの左手小指にまたもや死球を叩き込み病院送り、 「全治四日」と診断されたポゾの明日以降の試合出場は微妙になった。 三連戦をしっかり見据えた読売のいわゆる「六月攻勢」に、 横浜はケガ人無しで乗り切れるだろうか。

六月五日(土) 読売、今季十五度目の逆転負け

○横11−6読●
斎藤雅→西山→河野→岡田→入来祐)

 ポゾを潰しただけでは飽きたらない。 三回読売の攻撃、満塁からの外野フライに三塁走者・清原がタッチアップ、 タイミングは間違いなくアウトだったホーム返球を、 清原が谷繁を殺人タックルで吹き飛ばし、 ミットに入ったボールを弾き飛ばし力技でセーフにしてしまった。 「うちの谷繁に何てことをするんだ!これ以上頭が悪くなったらどうするつもりだ!」 と怒りに燃える横浜打線は五回に大爆発、 斎藤雅・西山を泣き顔になるまでメッタ打ち、 連夜の大量得点で「最下位頂上決戦」は横浜が二連勝した。

六月六日(日) マルちゃん「アイ・ドント・ノウ」

●横2−5読○
上原

 八日からの中日戦にも一軍登録の見込みの読売の新外国人・マルちゃん(元西武)だが、 来日記者会見で報道陣の「代打専門で使われる事についてどう思いますか?」との質問に、 「??……アイ・ドント・ノウ(おいおい、聞いてないぜ?ジャビ公はそんな事を言ってるのかい? ダムド・イット!」)と驚き顔。この事について読売広報は 「き、起用法についてはまだ、ほ、本人に具体的なことは提示してません」としどろもどろ。 マルちゃんの迂闊な発言で危うく本社サイドの 「しげお君&清原ダブル追放」のシナリオが露見しそうになり大慌てだった。

六月八日(火) 清原、サヨナラ弾

○読8x−5中●
(桑田→木村→柏田→入来祐→三沢

 →「D's Jun.」参照

六月九日(水) 最下位読売、首位に3.5差!

○読4−2中●
ホセ→入来祐→木村→槇原)

   →「D's Jun.」参照

六月十日(木) 読売、四連勝

○読13−3中●
(西山→河野→三沢→柏田→入来智)

 →「D's Jun.」参照

六月十一日(金) 清原、謎の三発

●神3−9読○
ガルベス

 「い、一体何が起きてるんだ!?こ、これは夢か、それとも幻か」 と読売ファンでさえ目を丸くする。 何しろあの「松井と高橋の間の束の間のオアシス」 「負け試合でのみ爆発する大砲」「ミスターゲッツー」 と称されたあの清原が、一試合三ホーマー・五打点の活躍で二試合連続のお立ち台に上がってしまったのだ。 この奇怪な出来事にふと思い起こされるのは、 五月北陸シリーズ終了後、阪神・野村監督が「球団がチケットの手配を忘れた」 といった常識では考えられない理由でセンイチ君に飛行機のチケットを分けてもらい、 同じ飛行機で東京入りしたという事実。この機内で両監督の間でどんな「世間話」が交わされたのか、 ここ数日の中日・阪神投手陣が清原の打席で見せる「打って下さい」とばかりの配球、 読売が先だってマルちゃんを獲得した事実、 そしてこの日のしげお君の「やっぱりウチの四番は清原ですよ」 とのホクホク顔のコメントを並べてみれば、 ペナントが終盤までもつれると読んだ両監督の巧みな「仕掛け」が、鮮やかに浮かび上がる。

六月十二日(土) 槇原、敬遠球を打たれサヨナラ負け

○神5x−4読●
(斎藤雅→河野→木村→柏田→三沢→入来祐→槇原)

 一体何しに出てきたのか。 四対四の同点で迎えた延長十二回裏、一死二塁で登板した読売の「守護神」は、 まずは今岡に敬遠のフォアボール。 続く新庄も敬遠と、別に槇原でなくても誰でも構わない二者連続の敬遠策。 しかし、ベンチに全く信用されてない守護神が新庄に投じた二球目は中途半端なやる気のないボール球となり、 誰も守っていなかった三遊間に簡単に狙い打ちされ、 点々と転がる凡ゴロは冗談のようなサヨナラタイムリーとなった。 バッテリー間の意思の疎通・野手の守備形態のマズさが起こしたこのサヨナラ負けに、キャッチャー光山は「一球目は(新庄は)打つ気を見せなかったのに…」、 ピッチャー槇原は「(新庄の)足が出てたよ!絶対!」と互いに俺のせいじゃないとばかりに責任のなすり合い、 息のあったところを見せていた。

六月十三日(日) 上原、七勝目

●神1−4読○
上原→S槇原)

 「上原→谷間→ホセ→谷間→谷間」のローテをきっちり守り、 上原が七勝目を上げた。

六月十五日(火) 読売、四度目の完封負け

●読0−1横○
桑田

 気が付けばイニングの先頭が五番高橋から始まるといった、 実質的に二岡・光山・桑田がクリーンナップとなる読売のお寒い打撃陣は今日も空転。 横浜先発・川村の前に八回までわずか三安打、 最後はあんまり暇にさせとくと夜中にTKのライヴに出没し朝まで遊んでいるササキの夜遊び防止のため、 ササキに無駄に一イニング投げさせる権藤監督余裕の継投まで見せつけられ、 読売は今季四度目の完封負けを喰らった。 「復活宣言」をしたはずの清原はこの日も三タコと阪神・中日両チームの思惑にまんまとハマっており、 四番ファーストと騙されて連れて来られたマルちゃんは 「もっと試合に出たい。いっそ二軍戦でも構わない」 と自分をスタメンで使えとアピール、 それを聞いた原総合コーチは 「やる気満々だな。じゃ、早速明日は鎌ヶ谷に」 とマルちゃんの皮肉が全く通じてないようで、 十六日、マルちゃんは鎌ヶ谷(イースタン日ハム戦)に送られる事が決まった。

六月十六日(水) 二試合で一点!

●読1−6横○
ホセ→三沢→平松→河野→入来祐)

 「一打席でも多く立ちたい」とイースタン戦に出場、 両翼百メートルの鎌ヶ谷球場でホームランをかっ飛ばし 一軍でのスタメン出場を力強くアピールしたマルちゃんだったが、 そんなマルちゃんの思惑が原総合コーチやしげお君に届くわけがない。 今日も二死ランナー無し四点差と全く役割不明な場面で「マルティネス、マァル」と マル呼ばわりされながら代打で出されたマルちゃんは敢えなく三振、 ライバル・清原も少ないチャンスをことごとく潰し四タコ、 打てない四番を使い続け石井・マルちゃんを飼い殺す贅沢な打線は二試合十八イニングで一点ぽっちしか取れず、 しげお君はただ「打てないな。打てない、打てない」と言い続けるだけだった。 そして試合終了後、 読売投手陣の中では比較的安定していたホセがこの日のKOのみで二軍落ち、 代わりにデセンスの昇格が決まった。 これによりセは「だんご六兄弟」から「五強一弱」へとまっしぐらか。

六月十七日(木) 大魔人、撃沈!

○読6−5横●
(ガルベス→木村→S槇原)

 「力で来る。力でいったら負けなんだ」。 八回一死満塁でピッチャーはササキ、 バッターボックスのウルフ高橋にそんなアドヴァイスを送ったのはよりにもよって元木だった。 現在鈴木尚に次ぐ打率三割四分でリーグ二位のウルフ高橋が、 下から数えて四番目の元木にそんな事を言われてしまって燃えないわけがない。 「元木さんにアドヴァイスされた…打率が僕より一割も下の元木さんに…」。 頭に血がのぼったウルフ高橋はしげお君の「真っ直ぐを狙って打て!」というアドヴァイスを完全無視、 ササキのフォークを狙い打ち、ライト線へ気迫の二点タイムリーツーベースを放つ。 その後、他人様にアドヴァイスなど送れる身分ではない元木は当然凡退したが、 二岡・村田の連続ヒットでササキから合計四点、 実に四年振りのササキKOで読売が逆転勝利をおさめた。 この日テレビ中継を見ていた某在京球団天気なのに傘を降るファン集団からは一斉に、 「あはははは〜ササキKO!バーカ、ターコ!」 との声がわき起こったとか起こらないとか。

六月十九日(土) マルちゃん、スタメンで二発!

○読5−3神●
斎藤雅→木村→S槇原)

 「な、何だあの物体は?!読売の守備の左翼に小錦がいるぞ!」 と東京エッグのファンが仰天する。 突如読売のユニフォームを着てあらわれた小錦は、 一打席目に先制のツーランホームラン、 二打席目には東京エッグの上段の壁を直撃する豪快な一発で三打点。 さらに清原・高橋のホームランも飛び出し、つい三日前に 「うちはホームランでしか点が取れないと言われているが、 それも徐々に解消してきた。いい傾向だ」 と二日で一点しか取れなかった言い訳をしていたしげお君に見せつけるような 「ホームラン四本で五得点」といった読売お得意の「つながらない打線」で試合を決めた。 試合後、ヒーローインタビューで一球も打球の飛ばなかった左翼に座っていた小錦が、 本名を「ドミンゴ=マルティネス」という事が明らかに。

六月二十日(日) 上原、八勝目!

○読4−1神●
上原→S槇原)

 読売グループの組織票を総動員しても 相変わらず阪神選手陣が上位を独占する今年のオールスターファン投票。 そこでついに日本テレビは、この日も一人ローテーションの上原が勝利投手となった事で 上原をお立ち台に上げ、インタビュアーに 「上原さんはオールスターに出場するのが夢だったそうですね! どうぞ、全国のファンに自分で投票をお願いしてみて下さい!」 いやがる上原に「…はあ、…皆さん投票よろしくお願いします」 と前代未聞の「選手直接の投票お願い」を敢行、 全国ネットでお茶の間の浮動票獲得に一生懸命だった。

六月二十三日(水) 木村、決勝ボーク!

○中8−5読●
(デセンス→三沢→南→柏田→木村→岡島)

 関係者の証言。
    木村投手「打ってからコールなんて遅すぎますよ」
    川中三塁手「(木村の)足が上がった瞬間、塁審からすぐにコールがありました」
    小林毅主審「(ルールを)もっと勉強しなさい」

六月二十二日(火) またマルちゃんスタメン!

○読5−3中●
(桑田→入来祐→南→木村→S槇原)

 →「D's Jun.」参照

六月二十五日(金) 清原、全治六週間!

●広5−15読○
ガルベス→柏田→南→岡島)

 「別所さんのためにも、何としても読売の巻き返しを!」 という全国数千万余名マイナス数千万名の読売ファンの思いが天に通じたのか。 八回、無死一二塁から打った高橋の左中間ツーベースに、 一塁走者の清原が本塁突入、右ヒザの靱帯をクラッシュさせ途中退場するという、 読売ファンには嬉しいアクシデント。 対応が早かったのはここからだ。 球団は即座に清原を東京に強制送還させると、 病院で担当医師に「全治六週間」の診断書を書かせ、 右足を二度と身動き出来ないようにギプスで完全固定、 前回の左手骨折のときのように勝手に練習を再開して復帰の早まる事のないよう万全の対策。 これによりしげお君が何を言おうが清原の戦線離脱が確定した読売、 やっかいな四番がいなくなった事で「七月プラス攻勢」が突如現実味を帯びてきており、 再び低迷を始める六週間後までにそれだけ貯金を増やせるか、注目が集まる。

六月二十七日(日) 上原、九勝目!

●広2−4読○
上原

 緒方・野村ばかりか横竜まで故障しもはや野球どころではない広島は、 ミンチー→ペルドモ→デハートという涙で試合が見れない超絶リレー。 血も涙もない読売はそれでも槇原を出すといった「温情」は見せず、 今日も一人ローテーション・上原に九イニングきっちり投げさせ、 半ば死亡が確認されている広島の屍を踏みつけるように、このカードを二戦二勝とした。

六月二十九日(火) 読売、八連勝!?

○読3−1ヤ●
桑田→木村→柏田→南→S槇原)

 「読売、八連勝!!」と一面トップにデカデカと記事を載せたのは二十九日付けの報知新聞だ。 「むう。清原が抜け完全に勢いに乗ったか読売、 つい六日前に中日に負けながらもう八連勝もしているとは」と読者を思わず唸らせたが、 よく読んでみると「松井がホームランを打った日は」との注意書き付き。 そしてさらに一面に掲載されたセリーグ順位表を見ると、読売が堂々のセ単独一位に立っているではないか。 「おお、つい昨日まで首位中日と二・五ゲーム差だったが、さすがは読売、 一日でこのゲーム差をひっくり返すとは。 ハッ、ちょっと待て。二位が横浜?」 と思ったら、「六月だけ見ると」の注意書きが。 ここに来て報知新聞編集部に何が起こったのか当編集部では知る由もないが、 東スポ並みに記事を捏造するようになったのは今までお堅いイメージだった報知新聞には「いい傾向」で、 優勝チームの決定する九月〜十月には「優勝の喜びに酔う長嶋監督(写真は合成)」 が見れそうだ、と一部マニア読者をワクワクさせている。

六月三十日(水) マルちゃん、看板直撃でビール二年分

○読4−3ヤ●
(岡島→三沢→木村→S槇原)

 清原が抜けた途端に俄然スゴ味を増して来た読売打線は、 この日も四番・マルちゃんが東京エッグの看板にブチ当てる特大のホームラン、 二度目の「看板直撃賞」で合わせて賞金二百万円+キリンビール二年分を獲得した。 四連勝と勢いのついた読売だが、しげお君は「ヤマ場は八月ですよ」と意外に冷静。 八月になれば四番・清原が完全復帰、 マルちゃんも賞品のビールにより現在の妊娠六ヶ月の体が妊娠十ヶ月にはなっている頃合いと、 「八月、何かが変わる」ことだけは野生のカンで感じているようだった。

Giants at Jun.1999



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