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ああ、ああ、私のドラゴンズ

聖地巡礼(4)

98.8.4〜8.6
シャオ会ナゴヤ遠征リポート


1.ナゴヤドーム

 「Naoさん、俺を殴ってください」
 「何だって?いったいどうしたというんですか」
 「ここまでの道中、俺は一瞬だけ、Naoさんを疑ってしまった。 もしやまた道に迷ったんじゃないかと。 このままでは漢として俺の気がすまない。どうか俺を殴ってくれ、Naoさん」
 「ようし、歯を食いしばれっ」

バキッ!

 「ありがとう、Naoさん。これで気が済んだよ」
 「satoさん、今度は俺を殴ってくれ」
 「え?!」
 「実は俺は…」
 「何も聞くまい。遠慮なく殴らせてもらうよ」

バキッ!


 といったお互いの友情を確かめ合う殴り合いなどはもちろん無かったわけだが、 Naoさんの導きにより駅から気が遠くなるほど歩いた(*1)我々はようやく、 夢にまで見たナゴヤドームに辿り着いたのだった。
 ああ、これが聖地・総本山!ナゴヤドーム!
 皆の心は高鳴り、その壮大な姿にしばらく誰もが声を失い、 そして誰からともなく、次々にこの美しい雄大なドームを讃える 賞讃の声があちらこちらからこぼれた。

 「…これがナゴヤドームかあ」
 「思ったより小さいですなあ」
 スケートリンクかと思った」
 「ドムラの旗、かっこ悪ゥ〜」

 一人くらい誉める奴はいないのか、一人くらい。


2.応援団の横暴

 ドーム周辺では人影をさっぱり見かけなかったが、いざゲート付近に行くと 夏休み中のクソガキ子供さん達が佃煮にして売るほどひしめいていた。
 まず間違いなく5階席になりそうな列の後ろの方に並び、ある者はグッズショップへ、 ある者はドーム周辺散策に出かける。 どこの球場に行っても必ず知り合いがいるNaoさん は列の前の方に並んでいる人たちと親しげに話している。 彼の行動範囲の広さにはいつも驚かされる。

 ドーム外のグッズショップに行って戻るとき、 悪名高いナゴヤ応援団の決定的瞬間を見てしまった。
 まだ開場じゃないのに、応援団がぞろぞろと一般客より早くドームに入っていくのだ。 席取りのためである。

 「むう。噂には聞いていたが…これがナゴヤドーム!」

 この場を借りて言わせてもらうと、 応援団も一般客もドラゴンズを応援する同じ客である。にも関わらず、 応援団を優先に扱うこのナゴヤドームのやり方。 これでは山王丸さん(*2)が怒るのも無理はないッ!!
 確かに、列に並び席をとるのは早い者勝ちだ。 早く並んだ者はそれなりの努力をしているのだからそれはしょうがない。 だがしかしッ!応援団の席取りのために応援団だけ入場を早くするとは何事であるかッ!

 許すまじッ!ドーム&応援団ッ!!


3.共犯者

 応援団に対する憤りを感じつつ、午後4時20分。ナゴヤドームが開門した。 ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロと、前の列が流れていく光景を見ながら
 「これは5階席も怪しいかもしれませんね…」
 との暗雲が我々を襲う。

 ナゴヤドーム入場。すぐさまエスカレータに走り、上へのぼる。急げッ!5階席確保!…そのときだったッ!

 「お兄さん!こっちこっち!」

 3階付近で奇妙なおばちゃんが手招きしている。BULLYさんとelfさんがきょとんとした顔で、
 「お、俺達ですか?」
 と謎の手招きおばちゃんに誘われるままにフラフラとついて行ったその先で、
 「ここ、座りなさい!」
 と譲ってもらったその席は、 応援団が席取りしていた 2階席の一部だった。 おばちゃんは応援団の人だったのだ。
 「ありがとうございます!」


 こうしてはからずも2階席に座ってしまった我々は、
 「いやー、素晴らしい眺めですな〜」
 「いい人じゃん、応援団」

 と、すっかりお菓子で手なづけられた子供 のようにはしゃぎ、なんだか超ラッキー、とか思いつつ、
 「山王丸さん、これ聞いたら怒るかな」
 「黙っときましょう」
 と極めてポジティブな結論に達し、 2階席で幸せそうに串味噌カツなどほうばるのだった。


(*1)気が遠くなるほど歩いた…この経験をいかして翌日、「シャトルバスで行こう!」 と墓穴を掘る提案をしたのは私(sato23)です。
(*2)山王丸さん…この遠征の2日目に合流する予定になっている、ドラゴンズ系BBSでは結構有名な人。 ナゴヤの応援団の横暴には以前より厳しい意見を呈しておられ、 感じ入るところが多々あります。

>>> TO BE CONTINUED!!


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