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リンガー! 替え玉★選手権


ソチ冬季オリンピックが終わって気分的にはもう数か月は過ぎた感じですが、 三月七日からはパラリンピックが始まります!

オリンピックの開会式はアベ首相が、閉会式にはマスゾエ東京都知事が行ったみたいですが、 パラリンピックは誰が行くのか楽しみですね!

(ネット検索してみたら、 森義朗(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長)さんが講演会で 「パラリンピックのために再び二十時間以上もかけてソチに行くと思うと暗い気持ちになる」 と言ってたそうなので、森さんは行くみたいです!) (楽しんで来てください!) (国費をかけて行くのに「楽しむ」とは何事だ!)(メダルをかじるな!) (でももし金が偽物だったら!?) (国費をかけて偽物をつかまされたら大恥だ!) (やっぱりかじっていいぞ!)

「国費をかけて行くんだから」っていやらしい台詞ですね! 頭の中はカネとキンしかないのか! (私の頭はカネのことでいっぱいですが!)(キンにはあまり興味ありません!) (男だったらキンが欲しければ他人に頼らず自分で獲れ!) (そこ!そういう意味じゃない!) (パンツに手を入れるな!) (そのキンはかじったら大変なことになるぞ!) (やっぱりキンはかじるな!)


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さて、パラリンピックは身体障害(視覚障害を含む)の人を対象にした競技大会ですが、 聴覚障害の人を対象にした大会にデフリンピック、 知的障害の人を対象にした大会にスペシャル・オリンピックスというのがあります!

『リンガー!』はスペシャル・オリンピックスを舞台にしたコメディ映画です。 (ええと、この映画の話をすると「障害者」という単語をいっぱい使わざるを得ないので、 気を遣って「スペシャリスト」って言い換えますね!) (僕は漢字を替えたり平仮名に替えたりする誤魔化しは好きではないのですが、 「スペシャリスト」はちょっと格好いいので採用します!)

この映画、健常者が知的障害を装ってスペシャル・オリンピックスに出場しようとする話なんですが、 知的障害の演技をしているのが他の参加者たちにバレてしまうんですね。 そのときに「アー・ユー・スペシャル、リアリー?」 「ユア・ノット・スペシャル!」 ってセリフがあるのです! (当事者たちが自分のことを「スペシャル」って言ってるんだったら、まあいいかな、と思って!)

日本の人権団体が観たら、

「スペシャリストでコメディだと!? 不謹慎だ!」
「ショックを受けてリストカットする人が出たらどうするんだ!」
「放送中止にしろ!」
「謝罪しろ!」

と最後まで観もしないで大騒ぎしそうですが、 笑えて泣けてあたたまる映画です!

って、前の日本テレビの養護施設ドラマへの抗議問題のときも思ったんですが、 「最後まで見ていただければ、理解をいただけると思う」 ってテレビ局側が反論したとき、
「ハッピー・エンドならいいの?」
と僕は思ったんですね!

僕も今、人権団体からイチャモンを付けられないよう予防線として 「笑えて泣けてあたたまる映画です!」 なんて言い訳めいた事を書きましたが、 笑えて泣けてあたたまればいいの? ハッピー・エンドだったらいいの? バット・エンドだったらダメなの?

スペシャリストが出るドラマだから、ハッピーエンドにしなきゃいけないの?


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普通のドラマでバッド・エンドで終わる物語なんていっぱいあるのに、 スペシャリストや孤児の出るドラマはハッピー・エンドでなければならないなんて! それこそスペシャリストを馬鹿にしています!
「お前らはちょっとしたことで傷つくんだから、気を遣ってハート・ウォーミングな話にしてやるよ」 だとか、お前ら何様だ!

そういう意味では日本テレビ側の「最後まで見てくれ」は違うと思うし、 僕がさっき言った「笑えて泣けてあたたまる映画(=だから不謹慎ではない)」も違いますね! すみませんでした! 保身のためにきれいごとをいいました!

この映画は知的障害ギャグがバンバン出てきたり、 スペシャル・オリンピックスを金儲けに利用しようとした男たちが最後まで何の罰も受けない、 きわめて不謹慎な映画です!

知的障害ギャグでゲラゲラ笑って、スペシャリストも健常者も同じなんだ、 気を遣う必要はないんだ、ってことを再確認しましょう!

(2014.03.04)


原題THE RINGER
邦題リンガー! 替え玉★選手権
公開/製作2007年/アメリカ
出演 ジョニー・ノックスヴィル(スティーブ)、ブライアン・コックス(ゲイリー)、キャサリン・ハイグル(リン)
監督バリー・W・ブラウステイン

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