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惑星ソラリス


愛ってなんだろう。

といきなり高校生男子みたいなことを言い出しますが! 恋に憧れるクリストファー鈴木のツイッターみたいなことを言い出しますが! (誰だクリストファー鈴木って!)

昔ヤングマガジンに『ちょびっツ』(CLAMP)ってロボットに恋する話がありましたね。 人工で出来たものとの恋愛という歪んだテーマに、 全国に八千万はいる二次元と恋愛している人たちの共感と賞賛を受けたものですが、 『惑星ソラリス』もまた、 人間ではない、 「人間の形をしたモノ」を愛してしまう男の物語です! (クリストファー鈴木が人間でないモノに恋してるという意味ではありません) (いやそれは確認してないので知りませんが)

「愛とは与え続けるものである」と言ったのは哲学者か宗教家か知りませんが、 そういう意味では相手が人間だろうと人工物だろうと関係ない事になります。 たとえそれが実際には存在しないものだとしても!

主人公のクリス(クリストファー鈴木ではありませんよ!)が愛してしまったのは、 奥さんのハリーです。 しかしハリーは、惑星ソラリスがクリスの記憶の中から取って作り出したコピーで、 奥さんはとっくに死んでるのです。

クリスは奥さんのコピーといれて幸せです。 このまま惑星ソラリスにい続けようと考えます。 奥さんのコピーは惑星ソラリスの能力で生命を維持しているので、 奥さんは地球に連れて帰れないからです。 これって、恋愛ゲームの登場人物に恋してしまい、 ゲームの中から一般社会に帰って来ない皆さんと一緒じゃないですか! (皆さんって言うな!)(訂正:艦隊これくしょんを愛している皆さん!) (具体的なタイトルを出すな!)

幸せって何でしょう。 恋愛ゲームの中で恋愛している人たちは、明らかに幸せです。 「二次元と恋愛すんなキモオタ!現実の女と恋をしろ!」 と言ったところで、 ゲームに出てくる美少女より素敵と思える女性が現実世界にいないのであれば (アニメに出てくるイケメンよりも素敵と思える男性が現実世界にいないのであれば)、 致し方ないのではないか? (クリスの愛する奥さんが現実には存在しないように!)

しかし、この愛は誰も幸せにしないのです。 自分だけは幸せですが、誰かを幸せにすることは出来ないのです。 しまいには惑星ソラリスはまだ地球で生きている人間まで再生して、 クリスに「幸せな生活」を与えるのです! 現実に存在している人でさえ、 コピーで間に合わせてしまうのです!

自分だけは幸せだけども他の誰も幸せにしない恋愛。 いつか人間のコピーが作れるような世の中になって、 それが人間と同じ肉体、同じ感情を持って、自分を愛してくれるとするなら、 能年玲奈のコピーが自分を愛してくれるならあなたはそのコピーと一緒に暮らしますか? (能年ちゃんならするに決まってるだろ!)

(2014.01.20)


原題ロシア語:Солярис
英語:Solaris
邦題惑星ソラリス
公開/製作1972年/ロシア
出演 ドナタス・バニオニス(クリス)、ナタリア・ボンダルチュク(ハリー)
監督アンドレイ・タルコフスキー

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