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ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日


「現実に起こらなかったことも、歴史のうちである」
「現実は虚構であり、虚構の中にこそ真実がある」

という寺山修司の言葉が僕はとても好きなのです。

誰も十秒前に起こったことを「これが現実にあった」と証明する事は出来ない。 それはフェニックス一輝が放った鳳凰幻魔拳で見せられた幻かも知れない。 夢の中かも知れない。

落語の『芝浜』で魚屋の男は当てた富くじを夢にされますが、 あれは「現実に起きたことでも夢にした方が幸せになれる(こともある)」 という話でした。

人はしばしば困難にぶち当たると「現実を見ろ!」なんて言いますが、 果たして本当に現実を見る必要があるのでしょうか? (うわあ、俺いまクズいことを言ってる!)

神宮球場で中日ドラゴンズが圧倒的に負けていても、 10−0から1点返したとき 「よっしゃ、あるで!」 と僕は言います!(何があるんや!)
それがたとえ現実を見てないとしても、 そうやって見た方が楽しいからです!

人が幸せに生きるためには、必ずしも現実を見ないといけないという訳ではありません。 現実世界は辛いことばっかりだから、という理由で二次元に逃げるのもありです! (完全に帰って来ない人もいますが!) (達者で暮らせよ!)

『ドラえもん』の数ある最終回都市伝説に、 「今まで起きた出来事は、植物人間になったのび太が見ていた夢だった」 というのがありますが、だとすればのび太は幸せな一生を送っていることになります。 人にとって「幸せ」とは、「客観的に見て周りが幸せだと思う」ことじゃなく、 「主観的に自分が幸せだと思っている」ことなのだから。

ということで僕は、人はもっともっと現実逃避していいと思うんですね! 現実と夢の区別なんかついてなくていいんだよ!尾崎!

(2014.01.26)


原題Life of Pi
邦題ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
公開/製作2012年/アメリカ
出演 スラージ・シャルマ(パイ)、イルファーン・カーン(パイ・成人)、アーユッシュ・タンドン(パイ、11〜12歳)、ゴータム・ベルール(パイ、5歳)
監督アン・リー

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