INDEX

スネーク・フライト


この二十一世紀になって「飛行機乗るのが嫌い」とか言い出すライク・ア・原始人みたいな人ってまだいるみたいで、 「あんな重い鉄の塊が空を飛ぶなんてあり得ない!」 とかファッキン・チキンなこと言うんですよね。

全然あり得るって。 レオナルド・ダ・ヴィンチの時代から重いものが空を飛ぶなんて普通にある話ですよ! 紙だろうが鉄だろうが一緒! 鉄の方が紙より一兆倍重いんだったら一兆倍気合の入ったエンジンで飛ばせばいいだけですよ!<
だいたい男のくせに飛行機に乗るのが嫌いだなんてチキン野郎には夢がありません! 今もしも願いがひとつだけ叶うとしたら! 翼が欲しい! 翼をください! そう思うのが思春期から大人になっても続く男のロマンでしょう! 男だったら誰でも空を飛びたいはず! そして憎いあんちくしょうをスカイ・トリプル・ダンシングでぶちのめすんだ! (スカイ・トリプル・ダンシングというのは空を飛びながら空中で相手を三発ぶん殴るっていうギリシア代表・イカルスの必殺技です) (必殺技なので必ず死にます)

こんな風に僕が同じことを言葉を変えて何度も繰り返すあたりで 皆さんもう薄々皆勘付いてると思いますが、 俺、飛行機、苦手なんですよね。
だって、あんな重い鉄の塊が空を飛ぶなんておかしいでしょう!? あり得ねーよ!!

なんかね、自分が死ぬときに「行動の選択肢がない」ってのがイヤなんですよね。 飛行機が落ちるって分かった瞬間から、あとはカウントダウンを数えるだけ。 逃げ場は一切ない。約束された死に向かって一直線に突き進む。 列車ならまだ窓を開けて飛び出すとか「選択肢」があるじゃないですか。 まあ都会の電車は窓開かないですけど。 がんばれば突き破れるじゃないですか。 でも飛行機の窓は突き破れないし (この映画でサミュエル・L・ジャクソンは突き破ってましたが!)、 窓を突き破ったところで気圧差でものすごい風が…えーと、出て行くのかな… 東京エッグのドアは内から外に向かってすごい風が吹きますよね! あんな感じですよ! こどもが「ばんざーい!」って叫びながら空の彼方に吹っ飛ばされますよ! (野球ファンは大人でも「ばんざーい!」って叫びながら飛び出しますけど!) (野球ファンは子供と一緒だから!)

飛行機の中では何も出来ないのでただ席に座ってじっとしているしかない訳ですが、 もしそんな密閉空間で毒蛇の大群に襲われたらどうするんですか! 噛まれたら血清なんてありませんよ! よく飛行機が墜落し始めたとたんにズボンおろしてキャビン・アテンダントのお姉さん (通は「スチュワーデス」と呼びます)に襲い掛かる、 って場面が岩谷テンホーの漫画なんかでありますが(岩谷テンホー先生は素晴しい漫画家です)! 股間の股間の毒蛇じゃなくて本当の毒蛇ですよ!

ああ、でもそう考えると一番恐怖を感じてるのは乗客の僕たちよりスチュワーデスさんかも知れませんね。 なんせ密閉空間の飛行機の機内にいる上に、 男性のお客さんはみんな毒蛇を隠し持ってるんですからね!

映画『スネーク・フライト』は飛行機に乗ってた乗客が毒蛇に襲われるってお話ですが、 ここにおける「毒蛇」って「パニック状態になった男性乗客」のメタファなのかも知れませんね。

そうか、この映画は「女の人は飛行機に乗ったら蛇(=男の乗客)に気をつけよう!」 って話だったんだ! (ちなみに現実に蛇に襲われたらどうすればいいかというと、 マングースを見せるのがいいみたいです) (←岩谷テンホー的な締め)(下ネタばっかですみません)。

(2012.8.27)

原題Snakes on a Plane
邦題スネーク・フライト
公開/製作2006年/アメリカ
出演 サミュエル・L・ジャクソン(フリン)、ネイサン・フィリップス(ショーン)
監督デイヴィッド・R・エリス

INDEX