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地球最後の男オメガマン


人類がほぼ死滅し、細菌により異形のものとなった新しい人類が支配する世界。 わずかに生き残った旧人類たちも、次々に感染し新人類に変化していきます。

細菌の被害から逃れたネビル博士は 地球ほぼ最後の生き残りとなって、凶悪な新人類たちと戦います (ちなみにオメガマンとは「最後の男」という意味でネビル博士のことになります) (ペプシマンみたいなスーパーヒーローって訳ではないです) (ペプシマンってスーパーヒーローなの?)。 ネビル博士の戦いの根本には、「この世界はこれまで多数派だった俺たち(旧人類)が支配するべきで、 細菌でおかしくなった貴様ら(新人類)は悪だ!」 という考えが潜在下にあります。

でもこれって、時代についていけなくなったファッキンじじいどもが言う 「最近の若い者は」と一緒ですよね。
自分たちが既に旧人類、時代遅れとなったことに気づかず、 「昔は良かった」「細菌の若者はクソだ」「年寄りの言うことはいつもためになる」 とさしたる根拠もなく主張し、自分だけが正しいと信じ、自分が理解できない人間たちを否定する。

年寄りが若者に新陳代謝されるように、人類はゾンビに新陳代謝されます (細菌感染者は死人ではないですが、便宜上ゾンビと呼びます)。
マジョリティとマイノリティの入れ替え! (あ、ごめん英語なんか使っちゃって) (「おじゃ魔女どれみがどうしたって?」って声が聞えてきました) 多数派と少数派の入れ替え! 新人類の台頭に、旧人類は座して死ぬのを待つのか! それとも銃を取って戦うか! あるいは共存の道を選ぶか!

人類vsゾンビ!
年寄りvs若者!
白人vs黒人!
日本人vs韓国人!
落合ファンvsジョイナス!

新人類が現れたとき、旧人類は自分の居場所が奪われてしまうことを一番おそれます。 たとえ向こうにその気がなくても、 それがただの疑心暗鬼だとしても。

だから僕はネットで異常なまでにジョイナス叩きする人を見ても、 「やれやれ」 「生産的でないなあ」 「過去より未来を見ろよ」 なんて正論を吐くにはなれないんですよね。
彼らには、自分の居場所を奪う人たちがモンスターに見える。 だからより凶暴になり、より攻撃的になり、暴れる。 ネビル博士がただの「非力なおっさん軍団」にすぎないゾンビを銃でバンバン撃ち殺すように!

ま、「ネットで異常なまでにジョイナス叩きする人」って俺ですけど!


(2012.4.6)

原題The Omega Man
邦題地球最後の男オメガマン
公開/製作1971年/アメリカ
出演 チャールストン・へストン(ネビル)、アンソニー・ザーブ(マサイアス)、ロザリンド・キャッシュ(リサ)
監督ボリス・セーガル

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