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ディクテーター 身元不明でニューヨーク


    二〇一二年五月五日、バロン・コーエンはアラジーンに扮して 『サタデー・ナイト・ライブ』の"Weekend Update"に出演し、 映画を高評価した評論家のA・O・スコットとロジャー・イーバートを拷問し、 さらに映画監督のマーティン・スコセッシを人質に取った。

    (ウィキペディア『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』より)

なぜ!?

と思わずウィキペディアを読んで叫んでしまいましたが、 サシャ・バロン・コーエンが製作・脚本・主演をつとめる映画 『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』は コーエンが独裁者アラジーンに扮し、 気に食わない人間を片っ端から処刑しまくる痛快コメディです!
っていうかなんで映画を褒めてくれた評論家を拷問してマーティン・スコセッシを人質に取るのか全く意味が分かりません!

しかし、これモデルはリビアの独裁者・カダフィ大佐だそうですが、 日本人の私たちが見ると北のお方を連想させますね!
確かに!
北のお方なら映画評論家を拷問してスコセッシくらい人質にとるかも知れません! 独裁者の考える事なんて意味が分からない方が当たり前です! (分かる人がいたらそいつは独裁者だ!) (キムの気持ちが分かるやつがいたらそれは異常者だ!)

とはいえ、我々「普通の人々」も独裁者的なことをやっているのかも知れません。 この映画ではアラジーンの機嫌をちょっと損ねると、 アラジーンが手で首をかき切る仕草をし、 それを受けてボディーガード達にアラジーンの機嫌を損ねた人物は捕獲されて別室へ連れて行かれ「処理」されます! これってちょっと不快なツイートがあるとブロックで相手をこの世界から消し去るツイッターのシステムと一緒じゃないですか!

自分の見たくないものは遮断する、 不快な人物はその存在を消し去る、 そういうことがSNSの世界では容易に出来るのです! 「人間は秩序ある社会の中で生きているんだから、少しくらいイヤな事があっても、 相手がイヤな人物でも我慢して付き合わなくちゃいけない」 という現実世界の道徳は、ここでは捨てていいのです!
現実社会には首を切るシステムはないし、 首を切るのは許されないから首を切らないだけで、 もしそれが可能でありルールで許されてるなら、誰もが平然とクビを切る、 独裁者になる資質を持っているのです!

嫌いなツイートをするやつはブロック! 自分の言いたいことだけ言いたい放題! 人の話なんか聞かなくていい! 他人を不快にさせても「イヤならブロックすればいいじゃん」で済んでしまう! 自分のルールは自分で決める! 他人のことを考えなくていい、独裁者だらけの世界! それがネット社会です!

そう考えると、ツイッターってパラダイスだよなあ。 キムの気持ちがよく分かった!

(2014.02.05)


原題The Dictator
邦題ディクテーター 身元不明でニューヨーク
公開/製作2012年/アメリカ
出演 サシャ・バロン・コーエン(アラジーン将軍閣下)、アンナ・ファリス(ゾーイ)
監督ラリー・チャールズ

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