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17歳の肖像


先週の『週刊少年チャンピオン』の 『実は私は』(増田英二)という漫画で、 高校生女子が男を部屋に引っ張り込んでると思い込んだ宇宙人が、

「ち…地球の高校生は何と進んで…!」

と仰天するシーンがあるのですが!

「地球の高校生」の「進み具合」ってのは実際のところどうなんですかね。 昔から「調査によると、高校生女子は80%、男子は50%が経験済みらしいぜ!」 みたいな都市伝説がまことしやかに流れたりしますが、 別にアンケートで全国調査したわけじゃないし、 ティーン雑誌の調査結果なんか中日スポーツが調べた高木守道の支持率並みにウソばっかだし、 一方では 「童貞が許されるのは小学生までだよねー!」 なんて漫画もあったり、 イメージ的には 「昔に比べ、いまどきの若者は進んでる」 って思いますよね。

僕なんかが高校生の頃は女の子の顔もまともに見れず話も出来ないシャイ・ボーイで (今もあんまり変わってないですけど)、ヤンマガとかヤンジャン見てると、 漫画の世界では高校生にもなれば普通に男女がファックファック言ってヤリまくってる、 そんな乱れたこの時代に(滅んでしまえ!ファック!いやノーファック!) 少年誌とはいえよもや男と女が同じ部屋にいるくらいで

「ち…地球の高校生は何と進んで…!」

などというセリフを見るとは、正直たまげました! (純情か!) (高円寺純情商店街か!)

増田英二! お前本当は八十歳くらいじゃないのか!?
いまどきのガキなんて、中学生くらいでヤリまくりですよ! 僕なんかは今三歳ですけど童貞で、同じ幼稚園の子からは 「遅れてるぅー!」「いまどき三歳でチェリーなんて天然記念物だぜ」 なんてからかわれたりしてますもん! (ま、僕の場合は初めての相手は壇蜜って決めてるんで、 それまでは純潔を守るって決めたんですけどね) (待ってろ壇さん!)(大和田さん!)(壇さん!)


☆   ☆   ☆   ☆


映画『十七歳の肖像』の舞台は一九六一年のロンドンです(日本だと昭和三十六年です)。 十七歳のハイスクール・ガールのジェニーは、 高校生なのに大人の男性とお付き合いして、 夜遊びして、ヤリまくってるんですね! (なんでや!昔の人の方が進んでるやないか!)

…確かに、昔の人は進んでました。 たとえば徳川家康の父・広忠は十四歳で結婚、 十六歳のときに家康が生まれてます! 今だったら都の淫行条例で二年以下の懲役または百万円以下の罰金ですよ!

昔の人は成人するのも早かったし、結婚するのも早かった。子供も産むのも今よりずっとずっと早かった。 つまり「いまどきの若い人」よりも「進んでいた」、 ファースト・ヤリチン年齢が早かったのです!!

ということは、ひょっとして、もしかして、僕らが「いまどきの若者は進んでいる」 と思い込んでいるのは漫画や雑誌による洗脳じゃないのか!? (少なくとも江戸時代よりは遅くなってるはず!)

内閣調査によると日本人の平均結婚(初婚)年齢は年々遅くなってるし、 逆に生涯未婚率は上がる一方です。 ファースト結婚年齢が遅くなってるんだから、 ファースト恋愛年齢もファーストファック年齢も遅くなってると考えるのが自然です。

そりゃ一部のモテ男子・モテ女子は早いでしょうけど、 それは今も昔も一緒でしょう。しょせん彼らはマイノリティ、 世の中を占める大多数は二十になっても三十になっても少年・少女のままなんですよ!!!!

というわけで、増田英二先生の感覚は正しいと思います! 高校生で男女がひとつ屋根の下なんてあり得ません! (「おいおい、昭和のマンガか」なんて言ってすみませんでした!) (言ってない)

悪いのは「ヤラハタ」なんて言葉を流行らせた山田玲司です! 二十歳で童貞なんて当たり前です!
だから安心していいんだぞ、みんな!

(2013.06.07)


原題An Education
邦題17歳の肖像
公開/製作2009年/イギリス
出演 キャリー・マリガン(ジェニー)、ピーター・サースガード(デイビット)
監督ロネ・シェルフィグ

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