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エグザイル/絆


コンビニとかでイラつくのが五、六人の学生男子集団で、 全員一か所にかたまって動く連中です!

バラバラに買い物すれば通路も占拠しないで済むし買い物も早く終わるのに、 まず弁当コーナーの前で六人が集合して、ひとりひとり順番に弁当を選んで (「お前それ選ぶのかよ!」と感想を言い合いながら!)、 全員が選び終わるまで動かない。 そして全員で飲み物のコーナーに移動して、また全員が選び終わるまで動かない。 今度は全員でお菓子のコーナーに移動して、やっぱり全員が選び終わるまで動かない。 で、全員が買いたいものをカゴに入れ終わってから、全員揃ってレジに並ぶ。

どんだけ集団行動好きなんだよ! 小学校の登校隊かよ!


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集団行動好きといえば中日ドラゴンズの私設応援団ですが、 二〇〇八年から二団体がプロ野球観戦定款に違反したとして応援許可を取り消されてます。 これは応援団側が裁判まで起こして撤回を求めましたが、高裁でNPB側勝訴、 最高裁への上告は棄却され、結審しました。 (二団体への応援許可は司法判断で「ダメ」となりました)

なのでNPBは「二団体を連合の名簿から除名するように」と応援団側に通知を出したんですが、 応援団側は「みんなで一緒に応援したいんだ!」と言ってNPBの指示を無視したため、 ついに今年は「全団体が応援不許可」となってしまいました (正式には四団体については「保留」で、「二団体を除名してから応援許可申請を出しなおせ」って事のようです)。 応援団は「二団体に応援許可が出ないなら、全員に応援許可が出なくても構わない」 と、自らの意思で「選手を応援しない」ことに決めたのです!

「○○くんが応援できないなら僕も応援しない!」って、こどもか!

さて、今日はどの映画にこの話を無理やり繋げるかというと(無理やりって言うな)、 よし、 『エグザイル/絆』にしよう!(今決めたのか!)(今決めました!)


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ある犯罪組織がありまして、その中に幼馴染みの五人組がいるんですね。 そのうちの一人・ウーに対し、犯罪組織のボスが暗殺命令を出します。 ウーと仲のいい四人の幼馴染みのうち、二人は命令に従いウーを殺そうとします! 別の二人は組織に逆らってウーを守ろうとします!

で、ドンパチやるんですが、結局「友達は殺せない」ってことになって、 五人で組織を抜けて逃げ出す、って話が『エグザイル/絆』です!

エグザイルは「放浪者」って意味ですが、 組織に逆らい、仕事よりも仲間を取り、 放浪者となって好き勝手に生きる道を選ぶ。 そんな彼らにはどんな未来が待ってるでしょう。

彼らは本当に無邪気なこどものようで、 こどもだから、損得じゃなく、理屈じゃなく、駆け引きじゃなく、 総合的判断よりも男同士の友情を選ぶんですね! 彼らはこどもだからヤクザになったのです! 仕事したくない、いつまでも遊んでたい、だからヤクザになったのです!
「大人になんかなりたくない!」

大人になる、という事は「子供でなくなる」事であり、 男の友情よりも仕事を選んだり、 男の友情よりも家族を選んだり、 男の友情よりも義務や責任を果たしたり、 今やりたいことよりも先の未来を考える、 そのためには友情も捨てなくてはいけない、そんな決断をするときが必ずやって来ます。 「大人になる」ということは、「男の友情を捨てる」ことなのです! (今すごいイイ事言ってますが、ぜんぶ町山さんの受け売りなので感心しないように!)

中日応援団が 「○○くんが応援しないなら僕も応援しない」 と意地を張ったのは、こどもだからです。 こどもだから友情を大事にするし、 こどもだから「いつまでも遊んでいたい!好きなことをやり続けたい!」から応援団になったのです! (多分!)(知らんけど)

友情と努力が勝利に繋がるのは少年ジャンプ、こどもの世界の話です。 大人の世界では友情を優先したら裁判で敗北してしまいました。 大人の世界では友情と努力は必ずしも勝利には繋がらないのです。

さて、応援団はオールスターまでに大人になれるでしょうか? それとも、(『エグザイル/絆』の五人組のように)永遠の子供のまま、 男同士の友情を育むのでしょうか?

(2014.02.27)


原題放・逐(英題:Exiled)
邦題エグザイル/絆
公開/製作2006年/香港
出演 アンソニー・ウォン(ブレイズ)、フランシス・ン(タイ)、ニック・チョン(ウー)、ラム・シュー(ファット)、ロイ・チョン(キャット)
監督ジョニー・トー

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