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アベンジャーズ


今日電車に乗ってると、なんか後ろの方で話し声がして、 周りに聞こえるようなトーンで言い争いをしていて、 「お前、ちょっとは努力しろよ!」 「俺だって努力してるよ!」 とか言ってるんですね。

はてさて、学生が勉強や部活の話で盛り上がってるのか、 あるいはサラリーマン同士の仕事の話か恋愛の話か、 と思えば、

「ドアが閉まるギリギリに乗り込んで来て、 ドアが閉まらなくなったら電車の発車時間が遅れるだろ!」
「この電車に乗り遅れたら遅刻するんだからしょうがないだろ!」
「だったらギリギリにならないよう、家を早く出るとか努力しろよ!」
「俺だって努力してるよ!」

とか言ってるんです!

…く、くだらない…!

君たち、なんでそんな熱くなってんの…?

そんな言い争いを、延々とふた駅もやってました! (ふた駅ってのは彼らが言い争いを始めてから僕が降りるまでなので、 その後もやってたかも知れません)

まあ、僕も毎朝“妖怪ハサマレ”を見るたび、 「隣の車両なら空いてるのに、なんでその車両にこだわるんだろう」 と思うので、 「電車のドアに挟まるのは本人の努力(工夫)が足りない!」 という意見には同意しますが、 それにしても電車の中で他人に説教というのは、 する方もされる方もみっともないものです。

公衆の面前で相手に恥をかかせるし、 「オレは器の小さい人間だ!」と大声で他人にアピールしてるようなものです。 (説教されてる方もスルーすればいいのに、 「俺だって努力してるよ!」って口を尖らせて反論するところがツボでした!) (「電車にはさまれなよう努力しろよ!」 「俺だって努力してるよ!」) (THE MANZAI予選出場に向けてのネタ合わせかと思った!)


☆   ☆   ☆   ☆


前にも書きましたが、これは僕の持論ですが、 「怒ってるときの人の状態」と「酔っぱらってるときの人の状態」は似通っていて、 怒ってるときはなるべく他人と話をしない方がいいと思うんですね。

興奮しながら喋ると頭で考えるより言葉が先に出て、 酔っ払いと一緒で言ってることが支離滅裂になり、 あとから「俺、なんであんなこと言ったんだ…」 と自己嫌悪に陥る羽目になります! (いまごろ朝の電車の人も冷静さを取り戻し、 「なんで俺、知らない人に『電車にはさまるのはお前の努力が足りないからだ!』 なんて言っちゃったんだろう…」と後悔してるはずです!) (きっと前の晩かその日の朝、イヤなことがあってムシャクシャしてたんでしょう!) (奥さんとケンカしたか、娘に臭いと言われたかのどちらかですね!)

漫画のバトルものなんかでは「怒りのパワーで敵を粉砕!」なんて場面はよくありますが (クリリンのことかーッ!)、 勝負事で強いのは怒ってる人ではなく、冷静な人です。

怒りのパワーはその場その場で突発的に吐き出すのではなく、 冷静にクールダウンし、エネルギーは心の貯蔵庫に貯めておいて、 いざというときまとめてぶっ放した方がいい!

『アベンジャーズ』は、 マーベルコミックのスーパーヒーロー達が力を合わせたり合わせなかったりして共通の敵をやっつけるって話ですが、 アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソー、ハルクと地味なヒーローが勢ぞろいする中(地味って言うな!) (失礼しました!「ひな壇芸人」に言い換えます!)、 今回大活躍するのがハルクさんです!


☆   ☆   ☆   ☆


ハルクさんは普段は温厚な人間なんですが、 キレると巨大化して緑色の化け物になるのです! (「化け物」って言うな!)(ヒーローや!)

それまでのハルクはさんは、自制心が効かない短気で思慮の浅いキレやすい人だったのですが、 今回のハルクさんは電車に乗り遅れそうなサラリーマンが閉まるドアに挟まっても我慢、 歩道を歩いていたら対向車がハイビームを浴びせてきて目つぶしをしても我慢、 高木監督が二回で先発ピッチャーに代打を出しても我慢、 東京の立ち食いうどん屋で隣の関西人が関西弁で 「東京のうどんはつゆが黒くてかなわんわ!」とバカ声で語りだしても我慢、 我慢に我慢を重ねて、最後に爆発するのです!

怒りのエネルギーはそれが必要となるときまで貯めておけ! 男には一生のうち三度だけ、命をかけて本気で戦わなければならないときがあるのです!
ひとつは親を侮辱されたとき、 ひとつは愛する人を守るとき、 ひとつはベッドの下のマニアックなエロ本が見つかりそうになったときです!

(2014.02.25)


原題Marvel's The Avengers
邦題アベンジャーズ
公開/製作2012年/アメリカ
出演 ロバート・ダウニー・Jr(アイアンマン)、 クリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ)、 マーク・ラファロ(ハルク)、 クリス・ヘムズワース(ソー)、 ジェレミー・レナー(ホークアイ)、 スカーレット・ヨハンソン(ブラック・ウィドウ)、 サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)
監督ジョス・ウィードン

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