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グラン・トリノ


双子の兄妹グリン君とトリノちゃんが宇宙狭しと大暴れするアクション魔女っ子探偵SF、 それがこの映画『グラン・トリノ』ですが (うそです)(どうしてこういう誰も喜ばない嘘をつくんでしょうね俺)、そうではなくて、 虎は死して皮を残し、人は死して名を残す、 クリント・イーストウッドは死してあちこちに母親の違う子供を残すって話が『グラン・トリノ』です! (うそです)(半分本当です)(その前にクリント・イーストウッドまだ生きてます)

誰もが若いイケイケの頃は人は何かを成し遂げることに夢中になって、 それが成し遂げられたり成し遂げられなくなったりしたその後は、 「何を残すか」に自分の残りの人生を費やすものなんでしょうかね。
で、成したい事もなければ残したいものもない人は、 無駄に年くって口を開けば若者の愚痴ばかり喋って、何もしない、何も出来ない、 誰の役にも立たないダメジジイになるんでしょう。
ま、好きですけどね!そんなダメジジイ! (孫娘に「おじいちゃんお口くさーい」とか言われるんですよね!)

残すのはモノでもいいし、生き方、考え方、記憶、形になるもの・ならないもの、さまざまです。 そして何かを残すことがその人間が生きてきた証になるのであれば、 僕は自分の生きてきた証を示せるだろうか?
明日自分がこの世からいなくなっていない保証なんてないなんて言わないよ絶対。 今日このあとで道で落ちてるバナナの皮で足を滑らせて3メートルをそらを飛んで命を落とすかも知れない。 そして「おさらば!」と叫んで僕がこの世界からいなくなったあと、 この世で残された人々は僕の部屋の押入れから隠しているエロ本を見つけ出し、 PCのハードディスクからは大量のエロ画像とエロ動画が発見され、 虎は死して皮を残し、人は死して名を残し、 ヨウゾウは死してエロ画像を残すわけですよ!
『デスノート』でワタリが死の直前に自分のパソコンのデータをスイッチひとつで全消去するシーンがありますが、 あれは中に大量のエロ画像があったからに決まってます! ワタリの秘蔵コレクションもスイッチひとつで一発消去! あのパソコン欲しい! ぜひ欲しい!!
っていうか「人は死んだあとも自分の生きた証を残したい」ってのと 「PCのデータを死ぬと同時に削除したい」ってのは矛盾してますね!どっちやねんっちゅー話ですよ!

ま、そういう事情もあって僕は死んだあとに一切何も残したくないです! (江戸っ子は宵越しの銭は持たないって言うし!)(江戸っ子じゃないけど!)
人は死んだ人に対し、あとから勝手にいろんな「物語」を付け加えるから。 昔の日記とか掘り起こされてワイドショーで流されるなんてまっぴら半次郎です! 人は死ねばそこまでの存在だから、俺のことは覚えてなくていいです。
大して付き合いもない薄っぺらな知り合いから「あいつ、いいやつだった」 なんて葬式で自己陶酔の涙ぼろぼろと流されたら、「ウソつけコノヤロー!」って化けて出るからな! 覚えとけよ!
いいか、俺が死んだら俺のことは忘れろ!
覚えたか!
忘れるんだぞ!
覚えたな!
いやだから忘れろって言ってる!
ああっ、もう何が何だか!

えっと、なんか死んだあとのこと考えるのって面倒くさいから、俺一生死なないことにしました。


(2012.3.24)

原題Gran Torino
邦題グラン・トリノ
公開/製作2008年/アメリカ
出演 クリント・イーストウッド(ウォルト)、ビー・ヴァン(タオ)
監督クリント・イーストウッド

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