INDEX

愛についてのキンゼイ・レポート


よく「ネットでは多数派」なんて言い方されるじゃないですか! (「されるじゃないですか」って言われても何の事やら分かんないですよね。漠然とし過ぎて) (まあ僕も漠然としたものについて言ってるので漠然とするのは当然です!)

「オボちゃんバッシングがひどい」「佐倉河内さんのゴーストはいい人そうだ」 「ジョイナスは中日ファンに嫌われている」 「橋下市長は強引過ぎる」 「若者は右傾化している」 「韓国人は嫌われている」 「中国人と日本人は仲がいい」

「という声がネットでは多数派ですが」!

多数派かどうかなんて何でわかるんだよ! すべての人がネットで自分の思ってることを言ってるわけじゃないのに! (僕なんてテキストもツイートもウソで塗り固められてますよ!) (本当のことなんて滅多に言いません!) (僕がネットで言ってることを「ヨウゾウさんはこういう考えのようですが」と言ってみても、 そのヨウゾウは実在するかどうかすら分からないのです!) (ヨウゾウという人間はネットにしか存在しない虚構かも知れない!) (なんで俺いま自分の存在を否定しにかかってんだよ!) (ものの喩えです!)

僕はちゃんとリアルに存在しますよ。 その証拠にハブさんとかブリさんとか、 リアル知り合いと一緒に野球観に行ったとか、競馬場に行ったとか、飲み会やったとか、 リアル生活についての話も時々してるじゃないですか! (まあ彼らも僕が空想の中でデッチ上げたネットにしか存在しない架空の友人なんですけどね)


☆   ☆   ☆   ☆


『愛についてのキンゼイ・レポート』は、 これは実話をもとにしたノンフィクションなんですが、 ノンフィクション=実話なので「もとにした」って言い方はおかしいですが、 実話をもとにした映画なんですが、 1940年代のアメリカで 「実は女性には性欲がある!」 「実は女性も自慰行為をする!」 「実は男好きな男もいる!」 という 「それまでの常識では考えられなかったウソみたいな事実」 を統計でオープンにした、キンゼイ博士の物語なんですね!

それまでは女性には性欲はないと信じられていたのです。
それまでは女性は自慰行為をしないと信じられていたのです。
それまでは男好きな男なんていないと信じられていたのです。
当時のメディアでは、性欲のない女性が「多数派」で、 性欲のある女性は「少数派」とされていたからです!

新聞にそれが多数派と書いていれば、人は多数派と信じ込む。 ラジオでそれが多数派と聴けば、人は多数派と信じ込む。 テレビでそれが多数派と報じられれば、人は多数派と信じ込む。 ネットでそれが多数派という書き込みがあれば、人は多数派と信じ込む。

でも、それは(キンゼイ博士のように)全国的に統計を取った結果ではないし、 少数派と言われてしまうとその人たちは表に出てこない、 だから実際には多数派と少数派の実態が逆だとしても、 「メディアが多数派と言ってること=多数派」 ってことになされてしまうんですね!


☆   ☆   ☆   ☆


そもそも、「多数派である」ことにどんな意味があるんでしょう? 多数派だと安心する? 多数派だったら少数派を攻撃していい?
「多数派だから正しい」?
「少数派だから間違ってる」?

僕たちは多数派であるか少数派であるかを常に気にしている。
多数派であれば安心だし、ラクだ。少数派であれば肩身が狭いし、 その考えは間違ってるかもしれない、という疑念を抱かせる。

大事なのは自分がどう考えてるかであって、多数派か少数派かではありません。 「ネットではこういう声が多数派」だから、それが何だというのでしょう!
多数派が好きならドラゴンズファンなんか止めて、 ジャイアンツの応援でもしてろ!バカ! (今日も見知らぬ不特定の他人をバカ呼ばわりです)

多数派か少数派を気にしてる時点で、 その主張は「どっちでもいい」んですよ。 本当に大事なことは多数派か少数派なんかで揺るがない! そして本当に大事なことなんて、人生に二つか三つしかないんです!

僕の場合は「芋煮は味噌派」です!

(2014.04.14)


原題Kinsey
邦題愛についてのキンゼイ・レポート
公開/製作2004年アメリカ
出演 リーアム・ニーソン(キンゼイ)、ローラ・リニー(クララ)、ピーター・サースガード(クライド)
監督ビル・コンドン

INDEX