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スペル


もうすぐ卒業式の季節ですね! 女子の皆さん、好きな先輩の第二ボタンもらう準備は出来てますか!

この「好きな先輩の第二ボタンをもらう」 というシットでファッキンでビッチな風習がどうして出来たかについては諸説ありますが、 一番ロマンティックのは「映画のワンシーン」説です。

一九六十年の日本映画『予科練物語 紺碧の空遠く』(井上和男監督)、 物語の舞台は昭和二十年、太平洋戦争も終わりが近づいてました。 これから特攻隊として出撃する十八歳の少年兵士、そしてそれを見送る十四歳の少女。 少年は死ににいく。しかし形見として残すものなど何もない。 少年は、お別れに胸のボタンをひきちぎり、少女に渡すのです。 僕は遠くに行ってしまうけれども、心はここに置いていくよ。

いやいやいやいやいやいやいや! ロマンティック過ぎて笠浩二も思わず寄声を上げてシンバル連打ですよ! 永遠の別れに第二ボタンをあげる、これが卒業式の第二ボタンに重なるわけですね! フー!フー!

ま、ボタン渡した男は死ぬんですけどね。

第二ボタンを渡した男は死ぬんです!

言ってみれば、卒業する先輩にボタンをねだるという行為は、 「お前どうせ死ぬんだから、その心臓くれよ。 なにい、無理ぃ? しょうがねえ、心臓の代わりに第二ボタンあずかっとくぜ!」 ってことですよ! ああおそろしい! (本サイトが独自に調査したところ、 卒業式で第二ボタンを取られた男性の多くは若くして命を失っているのです!) (そうに決まってます!) (調査したなのに「決まっている」とは?)

ま、「先輩、第二ボタンください!」 なんて言われるような男は短命でしょうがないと思いますが (もう人生十分に楽しんだでしょう!ツケを払うときだよ!)、 もうすぐ卒業式を迎えるここを読んでる三年生のみなさんは、 ちょっと不安になって来たでしょう。 後輩の女の子が「第二ボタンください(=お前の心臓をよこせ!)」 って言って来たらどうしますか!

映画『スペル』(原題:Drag Me To Hell=私を地獄に連れてって)は、 ボタンに呪いをかけ、 ボタンを持ってる女を呪い殺すという、 卒業式シーズンにぴったりのホラー映画です。

銀行の窓口係・クリスティンに恨みを抱く老婆は、 クリスティのコートのボタンに呪いをかけ、 悪魔に「ボタンの持ち主を殺しておくれ!」とお願いします。 クリスティが悪魔から逃れるためには、呪いのボタンを誰かに引き取ってもらい、 持ち主を変更するしかないのです! (悪魔はボタンの持ち主を殺します)

というわけでもし「後輩女子にボタンをねだられたらどうしよう…」 と悩んでいる卒業式間近の男子生徒がいたら、 自分の第二ボタンに悪魔ラーミアの呪いをかけるといいですよ!
そうすればもし第二ボタンを取られても、悪魔がボタンの持ち主を呪い殺してくれます! (ボタンを誰も貰ってくれなかったら呪いは自分に戻って来るので一石二鳥です!) (一石二鳥の使い方がおかしい) (第二ボタンがどうこう言ってる奴はみんな地獄に落ちたらいいんや!)

(2013.02.04)


原題Drag Me to Hell
邦題スペル
公開/製作2009年/アメリカ
出演 アリソン・ローマン(クリスティ)、ジャスティン・ロング(クレイ)、ローナ・レイヴァー(ガーナッシュ)、ディリープ・ラオ(ラム)
監督サム・ライミ

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