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カポーティ


やあ!このサイトにアクセスしてくれている僕の親友たちよ!
僕と君たちは同じ家で育ち、別々のドアから出て行った兄弟だ! 僕たちはファミリーだ! 何でも話してくれ! そして僕は何でも話そう!

…なんてこれっぽっちも思ってないですよ。 気持ち悪いこと言ってごめんなさい。

日ハムの栗山監督がインタビューで「ファンの皆さん…いや、家族の皆さん!」 と言ったとき、僕なんかは体温が十五度くらい下がって死ぬかと思ったんですけど (北海道の寒さは厳しい!)、 日ハムファン、じゃなかった、日ハムの家族の皆さんはどう思ったんでしょう。 「そうよ、あたしたちは家族よ!この素敵な家族のために、出来ることは何でもしてあげなくちゃ!」 とか思ったんですかね。 (一度「ファンの皆さん」と言ってから「いや」と否定する言葉を入れてインパクトを出し、 「家族の皆さん」と言い直すあたり、巧みですね!) (栗山だけに!)(それは西武の栗山!) (僕も真似して「日ハムファン」と言ってから「じゃなかった」と否定する言葉を入れて、 「日ハムの家族の皆さん」と言い直してみました!) (日ハムファンに媚びを売ったので、これでアクセス数も倍増だ!) (いや、むしろ思いっきり敵に回している)

いや、栗山監督はきっと素直で純朴な人なんでしょうね(フォロー)。 気持ち悪くないですよ。 ものすごくいい人で、 僕にはない部分をいっぱい持っているのでちょっと嫉妬してるんです。

さて、映画『カポーティ』ですが!
これは“ノンフィクション小説”というジャンルの先駆者である作家、 トルーマン・カポーティの物語です。 『ティファニーで朝食を』で一躍人気作家となったカポーティですが、 しばらく低迷期が続き、 新聞で目にした一家惨殺事件のノンフィクション小説を書こうと思い立ちます。
「へっへっへ、こいつはいいネタになりそうだぜ。一発当ててやろう」

カポーティはコネと金を使って警察の協力を得て、 留置場の犯人との接触に成功します。 そして言うのです。
「僕と君は親友だ。同じ家で生まれた兄弟だ。ただ、僕が表のドアから出て行き、 君は裏口から出て行っただけなんだ。君は僕であり、僕は君なんだ」

…よくもまあ心にもない事をベラベラと。

僕なんかはひねくれて育ったみなし子だから (お父さんお母さん今ぼくはウソをついてます)、 アカの他人に突然「親友」だの「家族」だの言われると、 「目的は何だ! 金か! 俺の金が目当てか! 金ならない! 本当だ! 押入れの天井裏を探してみても無駄だぞ!」 と包丁を持って身構えてしまうんですが、 僕以上にひねくれて育った犯人はカポーティの言葉をどう受け取ったのだろう、 親友と言って近づいてくるカポーティはどんな人間に見えただろう、 と考えるのです。

犯人は、カポーティの言葉をウソだと知っていたんじゃないか。 カポーティもその事に気づいてたんじゃないか。 お互いがお互いウソをついてるのを知りながら、 それでも親友のふりをする。 それでいいのか!

いいと思います(えっ)。

ウソで繋がれた絆もまた絆! 世の中には本当かウソかより、もっと大事なことがあります!

(2013.01.21)

原題Capote
邦題カポーティ
公開/製作2005年/アメリカ、カナダ
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン (カポーティ)、キャサリン・キーナー(リー)、クリフトン・コリンズ・Jr(ペリー)
監督ベネット・ミラー

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