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ツリー・オブ・ライフ


この映画を観てふと思ったことがあって、Google検索で

「シンジはエヴァの中にいる限り永遠に大人になれないのではないか」

と打ったところ、ちゃんとヒットしました!(やるな!グーグル!) (だいたい『ツリー・オブ・ライフ』で僕が思ったことと同じことが書いてありました!) つまり、

エヴァンゲリオンのコックピットに満たされている液体は羊水であり、 「エヴァ=母親」というメタファである(アダムとイブのイブ)。 シンジ君は母親の胎内にいる。 だからその中にいる限り決して独り立ち出来ないし、 大人になるためには母親を捨てる(あるいは壊す)必要がある。

だからエヴァンゲリオン新劇場版のラストは派手にエヴァをぶっ壊してめでたしめでたし、 って終わり方じゃないですかね!予想!(もちろんこれまでの伏線は全く回収されずに!) (伏線の回収されるエヴァなんてエヴァじゃない!) (続きは『続・エヴァンゲリオン劇場版』とか『真・エヴァンゲリオン劇場版』とか 『エヴァンゲリオン劇場版〜寅次郎子守唄〜』に引き継がれます!)

ということで『ツリー・オブ・ライフ』ですが (なんでエヴァを連想したかというと、 出産シーンで子供が水の中を泳いで水面に浮かび上がる、 という映像があるんですね。出産の比喩として)、 映画ではオープニングから神様がどうとか面倒くさい話を始めて(面倒くさい言うな)、 その後に地球の歴史が映像イメージで流れて(生命の誕生とか、隕石の衝突とか)、 その後は一つの家族の歴史が物語として展開するんですね。
地球の歴史のあとに一家族の歴史! (ま、どちらも何かが生まれてからいろいろあってここまで来た、 って点で大差ないのかも知れません) (長いことやってれば家庭に隕石だって衝突するし夫婦間に氷河期だって訪れます!) (地球と一家族、スケールが大きいか小さいかの違いだけで一緒です!) (違い過ぎるやろスケール!)

つかこれ普通に「地球の誕生」とか描いてていいのか!
天地と生命は神様が七日間で作ったんじゃないのか!

この映画は宗教の話で、家族を失った人たちが「どういうこっちゃねん神様!」 「わしらこんな信仰心厚いのに何で不幸なってんねん!?」 ってちょっとムッとしてる家族の話なんですが、 まあ宇宙的規模で見ればいろいろあるし、 隕石だって落ちるし、氷河期だって来る、 しょうがないよね!って話だと思います!たぶん!

僕は宗教とか無いんですけど(神様は信じてます!)(宗教は持ってません!) (←こないだ覚えた一番当たり障りのないスタンス) (宗教の話すっと面倒くさいんで)(なんでこんな映画観ちゃったんだ!)、 ホニャララ教とかでよくある

「人生に困難があるのは神様が決めた事なのだからしょうがないのだ。 神様の決めた運命だから、あるがままを受け入れるのだ」

って宗教的思想と、まったく宗教の無い人が

「人生に困難があるのは自然の成り行きなんだからしょうがないんだ。 神様なんていないんだから、あるがままを受け止めるんだ」

っていう現実主義は、言ってること同じですよね!

「あるがままを受け止める。受け入れる」
人が前向きに生きていくためにはそれしかなくって(いや、他にもありますが) (どっちや!)、 そう考える理由を片方は 「だって神様が決めたことだから」と言って、 片方は 「だって神様なんていないから」と言ってるだけです。

人生はケセラセラ、成るようになるし、成るようにしかならない。 それは自然のことわりで、その自然のことわり、偶然や必然を「神の意思」 と思うか思わないか、それだけです!
神様はいると思う人にはいるし、いないと思う人にはいない。 ただそれだけの事なのに、信じてる人に「神様はいない」と言ったり、 信じてない人に「神様はいる」と説教したり、 他人が神様を信じようが信じまいが大きなお世話ってことですよ!

(2012.12.06)

原題The Tree of Life
邦題ツリー・オブ・ライフ
公開/製作2011年/アメリカ
出演 ブラッド・ピット(オブライエン)、ショーン・ペン(ジャック)、ジェシカ・チャステイン(オブライエン夫人)
監督マーティン・スコセッシ

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