50/50 フィフティ・フィフティ
「アイム・キャンサー」 と言ったら日本では「おれ実はカニ座やねん。聖闘士星矢でいうと黄金聖闘士のデスマスクやねん。 クラスでめっちゃいじめられんねん。あじゃぱーやで！」って意味ですが、 アメリカで「アイム・キャンサー」って言ったら「わたしは癌です」になるんですね！ （ジョセフ＝ゴードン・レヴィット君が「アイム・キャンサー」と言ったときはカニ座仲間かと思ってびっくりしましたよ！） （私の周りの中日ファンは異常にカニ座が多く、 「中日ファンにはカニ座が多い」「カニ座の人は中日ファンである」という学説は統計学的に証明されてます！） （俺大学の俺教授によって！） 映画『５０／５０（フィフティー・フィフティー）』（五十分の五十じゃありませんよ）（約分したら１です） は癌を宣告されたジョセフ＝ゴードン・レヴィット君の物語。 自分が癌を宣告されたらどうするか、親友が癌を宣告されたらどうするか、 恋人が癌を宣告されたらどうするか、息子が癌を宣告されたらどうするか、 それぞれの立場でさまざまな人間模様が繰り広げられていきます。 自分が癌を宣告されたら！ ああ、考えただけでおそろしい！（ま、何もしないと思いますけど） （いつも通りいつも通り） 親友が癌を宣告されたら！ ああ、考えただけで胸が苦しくなる！（ま、何もしないですけど） （いつも通り何も変わらず） 恋人が癌を宣告されたら！ ああ、考えただけで悲しい！（ま、何もしないんですけどね） （いつも通りにデートして、いつも通りにメシを食って） 息子が癌を宣告されたら！ えっ！？ どっちの息子ですか！？ っていうかあんなとこ癌になるんですか！？ （あわてて検索しようとして「癌」ともう一つのキーワードを何にすればいいか一分間迷った） （あれの正式名称なんて言うの？）（マイボーイ？） 一分間迷って入れたキーワードが「ちんこ」ですよ！（ああ！自分のボキャブラリの無さに死にたくなる！） まあ「癌は誰でも持っているもので、それが生きてるうちに発症するか、発症する前に別の理由で死ぬかだけの違いだ」 って『ブラックジャックによろしく』でも言ってたし、 癌を宣告されることによって「残された時間を精一杯生きよう！」って思うのは、 今まで時間を精一杯生きてなかったことじゃないですか？ （ここから） 僕たちは終わりのあるゲームの中を生きている。人はいつか死ぬ。 その終わりは三か月後かもしれないし、三十年後かもしれないし、三分後かもしれない。 余命三か月と宣告されないと残りの三か月を一所懸命に生きないのか？ 「悔いのないように過ごす」のは、癌で余命を宣告されたからなのか？ 僕の場合、百歳まで生きる予定なので余命あと九十七年なわけですが、 残された時間を精一杯生きているので、 もし今「えっと、あんたの寿命やっぱあと３か月だわ」って死神に言われても、 今から変えることは何もありません！ いつも通りです！ 毎日を悔いのないように生きてるから！ 恋人が「あたし、あと三か月の命やねん」と告白してきても、 「残された三か月を気持ちを込めて優しくしてあげよう」なんて思いません。 だって俺、普段から十分に気持ちを込めてるし、誰よりも誠実で優しいもの。 癌だなんて宣告されなくても、毎日優しくしてるので、いつも通りです！ 友達が「俺、あと三か月の命やねん」と言ってきたら、 「おう、じゃあ福島競馬場に遊びに行こうぜ！」と普段の調子で遊びに行きます。 いつもやってるように、何も変わることなく。いつも通りです！ 毎日を一所懸命、精一杯に生きていれば、いつ癌を宣告されたって迷うことはありません。 あした世界の終りが来ても、いつも通りに林檎の種を撒くのです。 （ここまで） …なんて風に言えるようになればいいんですけどね！ （「ここから」から「ここまで」まで全部うそ！強がり！） 僕はそこまで割り切ってないし毎日を一所懸命生きていないから、 癌なんて宣告された日には部屋の隅でガタガタ震えながら酒飲んでますよ！ 「しにたくない、しにたくない」って言いながら！ 友達が癌を宣告されたと聞いたら、「死なないでくれ、死なないでくれ」って 無茶な要求をして、友達を苦しめます！ 「いつも通り」なんで出来るわけありません！ 俺の友達が俺より先に死ぬなんて許せません！ 「殉、死ぬな！死ぬことは許さん！」と弟に向かって無茶な要求を言い放つ剣崎順のように、 泣き喚きますよ！ だから、みんな死なないで下さい。 俺の愛する人、両親も友達も恋人も、 俺がいいっていうまで死なないでください！（「いい」って言いませんけど！） 俺が百歳まで生きたなら、俺のお父さんは百三十三歳まで生きてください！ 俺も一生、死ぬまで死なないから！
(2012.11.19)
|
| 原題 | 50/50 |
| 邦題 | 50/50 フィフティ・フィフティ |
| 公開/製作 | 2011年/アメリカ |
| 出演 | ジョゼフ・ゴードン＝レヴィット(アダム)、セス・ローゲン（カイル）、アナ・ケンドリック（キャサリン)、ブライス・ダラス・ハワード(レイチェル) |
| 監督 | ジョナサン・レヴィン |
→ INDEX