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ブレードランナー


人間と見分けのつかない精巧なアンドロイド (劇中では「レプリカント」と呼ばれてます!)がいる世界。 レプリカントのメモリには偽造記憶が入っていて、 自分を人間だと思い込んでいる。 しかしある日、知るのです! 自分が人間ではないことを! レプリカントであることを!

怖いですね! 僕も今まで特に根拠もなく自分を人間だと信じ込んでいましたが、 本当は人間でないのかも知れません! 記憶は何処かからコピーされたもので、 誰かに作られたアンドロイドかも知れません! (厳密に言えば自分が人間であると証明することなど不可能なのだ!)

でも、仮に僕がアンドロイドだとしても、 それで何か問題あるかって言ったら何も問題ないんですけどね。 (ないのか!)(ないです!)

藤田和日郎の『からくりサーカス』って漫画に出てくる悪の天才・ディーンは、 肉体が老いると記憶を若者の脳に転送して、人格を入れ替え、「生まれ変わる」のです。 そうすることで若返りを繰り返すのです!
つまり、「人格(記憶)がコピーされれば、コピーされた側が新しいオリジナルになる」 という考え方ですね! この発想はとてもショッキングでした! (ジェームズ・ボンドが敵を風呂場で感電死させたあと、 「う〜ん、ショッキング!」とギャグを言うくらいショッキングでした!)

個人とは何か。コピーロボットの鼻を押したら人間と同じ精巧なコピーが出来ますが (コピーロボットって何だ)(『パーマン』のアレです)、 コピーロボットの記憶・人格・思考が自分と全く同じなのであれば、それは自分じゃないのか? コピーとオリジナルの違いは呼び方だけじゃないのか? 中身が一緒ならそれは同じものじゃないのか?

だから僕は、もし自分が精巧に作られたアンドロイドだとしても、 「ああ、そう」と言っていつも通りの生活を続けると思うのですよ。 (オリジナルが僕を殺しに来ない限り!) (でも僕のオリジナルが僕と同じ思考であるとするなら、 僕は自分のコピーを殺さないので大丈夫です!) (生命保険の金額にもよりますが!) (おい!)

っていうか便利ですよね、自分のコピーが作れるなら。
例えば人生の二者択一に迫られたとき、 アンドロイドがいれば両方の道を選べるのです!
プロ野球選手を目指した俺! マンガ家を目指した俺! 旅人を目指した俺! 起業家を目指した俺! ビアンカじゃなくフローラを選んだ俺! うんこ味のカレーじゃなくカレー味のうんこを選んだ俺!
それぞれ別の道を選んでも、ぜんぶ俺です! アンドロイドだから失敗しても別に構わない! 誰か別の俺が成功すればそれは成功なんだ! ひとりパラレルワールドですよ! カレー味のうんこだって食べれます!(恐れるものは何もない!)

そうして考えると、 「もし失敗したら」と考えてグズグズ何もしない自分がバカバカしくなりますね!

自分をアンドロイドだと思えば、何でもできます! 失敗なんて気になりません! アンドロイドとしてやりたい事をやる! それはオリジナルの人間よりも充実した人生かも知れません! (もしかして別のテキストで「命は一つしかないから素晴らしい!」とか言ってるかも知れませんが、 今はそのことは忘れてください)

『ブレードランナー』に出てくるレプリカント(=アンドロイド)は、 まあオリジナルより寿命がちょっとだけ短いとか (タイムリミットがあった方が人生何でもやる気になります!)、 奴隷として虐げられてるとか (『パーマン』のコピーロボットもいわばミツ夫の奴隷みたいなもんですよね!) (利用するだけ利用して用が済んだらリセット、って、ミツ夫ひどいです!) (藤子不二夫作品ではミツ夫は一番クソ野郎です!) (二番目は『キテレツ大百科』のミヨちゃんです!) やや制限はありますけど、 もし自分がアンドロイドだったら!

…やっぱカレー味のうんこは食ってみたいですね!

(2012.12.11)

原題Blade Runner
邦題ブレードランナー
公開/製作1982年/アメリカ
出演 ハリソン・フォード(デッカード)、ルトガー・ハウアー(ロイ)、ショーン・ヤング(レイチェル)、エドワード・ジェームズ・オルモス(ガフ)
監督リドリー・スコット

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