INDEX

アダプテーション


僕も中日スポーツの記者さんたちには少し同情するとこがあって(少しですよ)(蟻の耳かき一杯ほどです)、 「こんな見どころのないゲーム、どう記事にすればいいんだ!」 ってときあると思うんですよ。

中スポなんて中日球団とズブズブだから迂闊に采配批判できないし、 出世したけりゃ「ジョイナス!これがジョイナス野球だーっ!」 「ファンと共に、大成功!」 「負けてもファンは大満足!」 ってウソでもデッチ上げでも何でもいいから、兎に角ゴマすりしなきゃいけない。
記者の中にはゴマスリ原稿を書いてるうちにゴマをすり過ぎてついに発火、 必殺技“炎のゴマ”を完成させた方もいらっしゃるそうですよ! (見るべきところ皆無のクソ試合が、 あっという間に大収穫試合に!) (「ゴマをする手が見えないっ!あれが炎のゴマか!」) (『竜の背に乗って』とも言います)

ほんと、大人の世界は大変ですね! やけどには十分注意しましょう!

まあ、僕もこうやって映画テキスト書いてますけど(なかなか映画の話に入りませんが!)、 そういう葛藤(つまんない映画をさも面白い映画のように書く)はないですね。 観て面白くなかった映画のテキストなんて書かないし、 そもそも僕は面白い映画しか観ません! (実写版『あしたのジョー』を観に行ったのはナイショです) (なんでや!『あしたのジョー』良かったやないか!) (香川照之のコスプレ丹下段平、最高やったで!) (ジョーのヤマト乗組員のコスプレもよかった!) (ヤマト乗組員?)

というわけで書きたくもない原稿を書くのは辛いという話を今してるわけですが、 映画『アダプテーション』はニコラス・ケイジ演じるハリウッドの脚本家が、 「この本、映画化するから脚本シクヨロ!」と原作本を渡され読んでみると、 「も…盛り上がるところが全くない…まるでドラゴンズの試合のようじゃないか…こんなの、どうやって映画にしろと…?」 と絶望感におそわれ、面白くない話を面白くするために四苦八苦する、というお話です。

まあ日本でもありそうな話ですね。 人気マンガや話題の小説を「実写化!実写化!ヒャッハー!」って言ってすぐ映画やドラマにする。 「この原作を是非実写化したい!」というクリエイターとしての欲求から生まれるのではなく、 「イケメンタレントを主役にしたドラマや映画を作るズラ! イケメンが主役ならストーリーは何でもいいズラ! 手っ取り早くマンガでも実写化するズラ! アイドル+人気マンガでがっぽり大儲けズラ!」っていうカネゴンとしての欲求から始まってますからね。 (その原作が映画向きどうかなんてどうでもいいんです!) (大事なのニノや山Pのスケジュールが空いてるかどうか、それだけです!)

そういうアイドル+マンガ原作はごく稀に監督の手腕で面白い映画になるときもありますが、 そんなのは千回に一回くらいで、 大抵は中身カラッポのアイドルのファッションショーみたいな映画ですよ! でもアイドル映画を観にいく観客にはそれがニーズなんです!

というわけで、 中スポは試合の内容が散々で書くことが何もないときは、無理に原稿なんか書かず、 浅尾のファッション特集でもした方がいいんじゃないですかね。 (あかん、負けたときの方が売り上げが伸びてまう)

(2013.01.28)

原題Adaptation.
邦題アダプテーション
公開/製作2002年/アメリカ
出演 ニコラス・ケイジ(チャーリー、ドナルド)、メリル・ストリープ(スーザン)、クリス・クーパー(ジョン・ラロシュ)
監督スパイク・ジョーンズ

INDEX