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ハングオーバー!


ウェイク・アップ! 君の中のジョニー!

ジョニーの奴を知ってるかい? 体内の血中アルコール濃度がある一定値を超えると呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! と登場するちょっとオッチョコチョイ酔っ払い、そいつがジョニーさ。 俺であって俺でない。 いつもの俺より性格がよかったり悪かったり、さまざまな評判を目撃者から聞くよ。 ジョニーが出てる間、俺はいないから直接あったことはないんだけどね。

誰だって心の中にジョニーを持っている。 それは人によってはハンスだったり、リリーだったり、フィッツジェラルドだったり。 俺は俺の中の“そいつ”をジョニーと呼んでいる。 よく「酒を飲むと人が変わったようだ」って言うけども、それは「ようだ」じゃない、 本当に変わるのさ! 変身するんだよ! そこにいるのは俺じゃなくジョニーなのさ。 ジョニーはいつでも出番を待っている。 ヤヌスの鏡のユミのように! 銀狼怪奇ファイルの銀狼のように! らんま1/2の乱馬のように! 森山塔が塔森山になるように! (誰や塔森山って!) (フランス書院文庫バンザイ!)

というわけで、泥酔して醜態を晒した自分を「ジョニー」と名づけて責任転嫁している僕ですけど、 人の心の中の善悪とか倫理観っていつ何処で決められたんでしょうね。 ゴミを捨てるのは悪いこと、人の陰口を言うのは悪いこと、人を傷つけるのは悪いこと、教え子をファックするのは悪いこと。 多くの人がそれを常識と思っています。そういった常識・善悪・倫理・道徳といった価値観は、 幼少のころに親とか先生とか「目上の存在」から刻みこまれます。植えつけられます。洗脳されます。 それは社会で生きていくためのルールブックであり、 そのルールが正しいかどうかは分からないけども、「ルールだから守れ!」という強制力を持ってます。

野生のアニマルには善悪の基準はありません。 超自然的に考えればこの世に「善悪などない」はずです。 ライオンはシカを殺すことを悪いと思っていないし、道端でうんこすることを汚いと思わない。 ライオンは食事のあとに手を洗わない、食べ終わったものを片付けない、マナーもエチケットもありません。 人間だけが善悪の基準を勝手に作り、自分で決めたルールの中で勝手に右往左往しています。

そして人は心にロックをかける。 「やっちゃいけないこと」「言っちゃいけないこと」を作り自分を縛る。 そのロックが解放されたとき、ジョニーはこの世に姿をあらわすのさ! カマン&ウェルカム! ようこそジョニー!

映画『ハングオーバー』は、そんな4人のジョニーたちが大暴れする話です。 「あはは!いるいる!こんなやつ!俺だけど」 の連続です。

(2011.12.30)

原題The Hangover
邦題ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
公開/製作2009年/アメリカ
出演 ブラッドレイ・クーパー(フィル)
エド・ヘルムズ(スチュ)
サック・ガリフィアナキス(アラン)
監督トッド・フィリップス

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