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未知との遭遇


ハイ! ちょっと久しぶりになりましたね! 何やってたかというとご想像通り、 ファッキン球団こと中日ズンドラゴがクライマックスシリーズ三連勝しやがって 「ぎゃー!ひょっとして日本シリーズに行けるかも!」 ってちょっとだけ夢見させて来やがったもんでしばらく東京エッグに行ってました! (一戦目と四戦目と五戦目と六戦目です!)
シーズン二位の分際で日本シリーズ行きを決めて読売ファンに「ザマミロ読売!」 って中指突き立ててやるぜ!と意気まいてですよ!

結果はご存知の通り! 三連勝のあと!三連敗! アハハ! 三連敗でシーズン終了! アハハハハハハハハハ! 愉快だねこりゃ!

ファック!

てな感じで意気消沈中で映画の感想なんて正直どうでもいい感じで(そういうこと言うな) 今回は『未知との遭遇』ですよ。 さすがにこんな誰でも知ってる映画、ネタバレとか全然オッケーですよね! 老若男女からそのへんを歩いているベビーカーの赤ん坊まで人類なら誰でも知ってる定番中の定番! これまだ観たことない奴なんて犬か猫か虫かプランクトンか石か草くらいですよ!
というわけで今回僕は初めて観たわけですが! (やっと人類になれた!)

主人公のロイお父さんは家族はあるんですが何処にも居場所がない人なんですね。 中日ベンチでいえば高木守道ですよ! 一応チームの長としてベンチでふんぞり返っているものの、 選手はみなよそよそしく、 コーチとはケンカばっかりで、 口を開けば「あの選手が打てない」「コーチは何やってるんだ」「あんなにサインしたのにドームが満員にならない」 って文句ばっかり言ってて、 辛気臭くて陰気で友達いなくて周りから敬遠されてる孤独な男なんですよ!

自分では何も悪いことをしてるつもりはない、 俺は俺で精一杯やってる、 でも誰も自分のことを理解してくれない! 尊敬してくれない! そんな疎外感を感じながらベンチでいつも独りぽっち! 周りの記者は心の中で俺のことをバカにしてるくせに決して口には出さずに、 新聞記事では「高木采配ズバズバ!」なんて調子のいいこと書いてるけど、 表面的な薄っぺらいおべっかで心は通じてない。 「みんな心の中で俺のことバカにしてんだろ…」 と叫びたい気持ちをグッとこらえ、ストレスはどんどん溜まっていく。 こういうこと、高木監督やロイお父さんに限らず誰でもありますよね! (あるでしょう誰でも!)(僕はないですが!)(ないのかよ!)

えっと、「ない」って言うと話が終わってしまうのであることにしときますね! 誰でもありますよそういうこと! 孤独と疎外感とそれを誤魔化すために虚勢を張るだけの生活! このままでいいのか! ここは本当に俺の居場所なのか! ここではないどこか別の場所へ、本当の俺にふさわしい、 此処ではない何処かへ逃げ出したい! 盗んだバイクで走り出したい!


    「昔ある歌手は遠くへ行きたいと歌って喝采を浴びたが、 遠くへ逃げたいと歌う僕を、 シスター・ストロベリーは恥じているようだった」
    (筋肉少女帯『SISTER STRAWBERRY』より)

現状に不満を抱き、 「ここではない何処か遠くへ」行きたいと思ってるとき、 千葉ロッテから一軍捕手コーチのオファーがあればそりゃ行きますよ中村武志だって! (あ、あれ、いつの間に中村武志の話に?) (でもそういうことです!) (来季中日の一軍捕手コーチへの昇格が内定していた中村武志は、 中日の一軍コーチを蹴ってロッテに行ってしまったのです!) (いろいろあったんでしょう!「今の中日に俺の居場所はない」とか!) (今の中日なんて選手・コーチのほとんどが 「俺もいいオファーがあれば他球団に行きたい」 って思ってるんじゃないですか!) (でもオファーなんかないんだよ!それが現実だよ!) (中村武志にはオファーあったけど!)

そして宇宙人から電撃オファーを受けたロイお父さんは、 自分の居場所を求めて旅立ってしまいました。 しかし、「何処かへ行きたい」「何かを成し遂げたい」ではなく、 「何処かへ逃げたい」「ここから遠くへ離れたい」 とすべてを捨てて「逃避」を選んだロイお父さんは果たしてこれから幸せになれるでしょうか?

勢いいさんで宇宙に旅立ったはいいが、 いまごろ宇宙人にイジメられてるかも知れないし、 パシリになって金星まで焼きそばパン買いに行かされてるかも知れない(UFOだけに) (焼きそば食べてヤキソバンですよ!)。 いや多分そうなってるでしょう! 人付き合いが苦手なロイお父さんですから、 宇宙人とも最初は仲良く出来ていてもそのうちギクシャクしてきて、 UFOの中で居場所を失い、ひとり部屋で『ピノキオ』のビデオを見ながら 「いつかここから逃げ出したい」と新たなブルー・フェアリーを夢見て悶々と過ごしていることでしょう。 そうに決まってます! (ああ!何処に行ってもダメ人間はダメ人間だ!)

でも、だからといってロイは後悔なんかしていないと思うのです。 そのとき最善と思ってやったことなら結果がどうだろうとそれがベストなんだ、 って落合監督も言ってる! (ま、スピルバーグはこの映画を後悔してるみたいですが) (ダメじゃん!) (でも後悔ばっかしてる人の方が映画作家には向いてるんじゃないですかね!) (そこで満足してしまったらそれよりいい作品は作れないから!) (ちなみに僕は自分の作るものには大体満足してます!) (ダメじゃん!)。

(2012.11.1)

原題close_encounters_of_the_third
邦題未知との遭遇
公開/製作1977年/アメリカ
出演 リチャード・ドレイファス(ロイ)、フランソワ・トリュフォー(クロード)、テリー・ガー(ロニー)
監督スティーヴン・スピルバーグ

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