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キック・アス



僕も子供のころスーパーヒーローに憧れました! スーパーヒーローの特殊能力で透明人間になって女湯入り放題! スーパーヒーローの特殊能力で空を飛んで露天風呂のぞき放題! スーパーヒーローの特殊能力で時間を止めて女の子さわり邦題!
そんなことを思ってた時期が、俺にも、ありました。
しかしあの頃の壮大な夢は封印され、 今は自分が世の中にいてもいなくてもいい存在=透明人間じゃないかと自分を蔑み落ち込む毎日です。 ファック俺!

少年は年月を経て大人という名の畜生になり、 子供の頃に夢みた野望(=透明人間になって女湯のぞくとか)は現実という名の怪物に押しつぶされ、 俺のハートの中にいたはずのヒーローはいつしか姿を消してしまった。 江本孟紀も「今の野球界にはヒーローがいないんですよ!」 って言ってました。まだイチローとか松井が日本にいたときですけど。(バカじゃねーの江本!)

だけど、この映画に出て来るキックアス(=日本語で「ケツぶっ飛ばすぞ」)くんは透明人間になることも出来なければ、 空をと飛ぶことも出来ない。もちろん時間を止めることさえ出来ない。 どうしてそんなただの凡人、アリやゴミムシのような存在がヒーローをやっているのさ!? (ちょっと言い過ぎました。アリとゴミムシには大変失礼なことを言ってしまって深くお詫び申し上げます) (アリとゴミムシは環境破壊しない分だけ人間よりはるかに立派ですよ!ビバ・ゴミムシ!)

キックアス君は言いました。 「お前らの暴力を、みんな黙って見てる。それが許せないんだ!僕は死んでも構わない、かかって来いよ」!

ああ!キックアス君が戦っていた相手は、ショッカーでも宇宙侵略星人でもなかった!
キックアス君が戦っていたのは! 世の中の理不尽なことに目をつむり!見ないふりをしていた一般人=俺たち! 激しく生き抜く根性もなく!孤独に死んでく勇気もなしに! 戦おうとせず黙って見ている俺たちのティキンなハートに! 「どうだ!僕はこうやって戦ってる!おまえたちは戦わないのか!」 ってハートブレイク・キャノンを打ち込んでいたんだよ!

アイシー、アイシー、ヒットガール。
まだ遅くないんだろ? 今からだってスーパーヒーローになれるんだろ? 特殊能力があるかどうかなんて関係ない、自分がヒーローだと思えば誰だってスーパーヒーローになれるんだ! ようし、今日から俺もスーパーヒーローになる!

というわけで、ちょっくら女湯行ってきます!

(2011.12.30)

原題Kick-Ass
邦題キック・アス
公開/製作2010年/アメリカ・イギリス
出演 アーロン・ジョンソン(キックアス)
クロエ・グレース・モレッツ(ヒットガール)
ニコラス・ケイジ(ビッグダディ)
クリストファー・ミンツ=プラッセ(レッドミスト)
監督マシュー・ヴォーン

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