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7月

 井上、ワンダフフル・キャッチ! 
 井上一樹がついに歴史にその名を刻む。
 1999年7月22日、東京エッグでの対読売3連戦、1勝1敗で迎えた3戦目。 8回裏無死1塁でバッター・マルティネスの打った当たりは一塁と右翼の間にポトリと落ちそうなテキサス性の飛球だった。 それをライト井上が猛ダッシュ、これ以上ないという絶妙なタイミングでスーパーキャッチ。 「ビューティフル!」と東京エッグを埋め尽くした5万5千人マイナス若干名の中日ファンが歓喜の声をあげたその直後だった。

 「フェアー!」

 打球を一番近くで見ていたはずの田中一塁塁審が超絶ジョ−クを放つ。
 「何故、試合中にジョークを?!」
 「フェアだと?」
 「井上のあまりの超美技にフェアプレー賞でもあげようというのか?
 「しかし表彰は試合が終わってからにしてくれ。何故インプレー中に?!」

 田中一塁塁審は、猛然と突っ込む 井上の恐い顔に目を奪われ捕球の瞬間を見逃し、 つい適当に「フェア」と言ってしまったのだ。 「この難しい打球を、並の外野手にキャッチ出来るわけがない!」。 そんな先入観がベテラン・田中一塁塁審の目を曇らせたのだ。 星野監督の猛抗議も実らず、一度下された判定は覆る事はなかった。

 試合は怒りに燃える竜打線が直後7得点と爆発、完璧なる勝利を手にしたわけだが、 この1プレーは井上一樹を一躍全国区にすると共に、 「新・珍プレー好プレーの常連男」 としての地位を確固たるものにした。 もちろん珍プレーの方で。
 目立ちたがり屋の井上にはケガの功名以上の効果があったわけで、 田中塁審に必死に抗議する井上のその目は、 「これで俺もオフの珍プレー番組には引っ張りだこやな」 とばかりにキラリと輝いていた。




井上一樹打撃成績(99年7月)
日付対戦相手打順打率中日先発備考
07/01阪神7番ライト.301武田 
07/02ヤク7番ライト.302野口 
07/03
07/04ヤク7番ライト.302山本昌 
07/05
07/06読売7番ライト.297川上 
07/07読売7番ライト.302武田 
07/08
07/09阪神7番ライト.309野口猛打賞!
07/10阪神7番ライト.304山本昌 
07/11阪神7番ライト.299門倉 
07/12
07/13広島7番ライト.297川上 
07/14広島7番ライト.296武田 
07/15広島7番ライト.292今中 
07/16横浜代打.291野口 
07/17横浜7番ライト.292山本昌 
07/18横浜7番ライト.293門倉 
07/19
07/20読売7番ライト.293川上 
07/21読売7番ライト.296武田5号3ラン(ホセ)
勝利打点(8)
07/22読売7番ライト.295野口 
07/23
07/24
07/25
07/26
07/27
07/28
07/29
07/30ヤク7番ライト.295川上 
07/31ヤク7番ライト.297武田 
7月成績6418.281  


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