中日ドラゴンズの20世紀最後のホームランは、やはりこの男のバットからだった。
新世紀へ夢を乗せて右中間スタンドへ、我らが井上の11号豪快アーチが突き刺さる。
広島市民球場のレフトスタンドへ詰め掛けた大観衆の
今世紀最後の『燃えよドラゴンズ』の大合唱は、
雲を越え天を越え、沖縄から北海道まで列島中に響き渡った。
「びっくりしたわ。沖縄のブルペンで朝倉とトークしてたら、何処からか『燃えドラ』が聞こえてくるやないか。
何やと思ったら、井上さんのホームランやったんやなあ」(ハイサイリーグ参加中の藤井)
“終わりは始まり”とは言ったものだが、ドラゴンズの20世紀最後のホームランを放ったのが我らが井上という事は、
同時に21世紀は井上の世紀になるという事だ。
トゥエンティファースト・センチュリー。今、新たな時代、井上の時代が幕を開けた。