2004年 それペナ!流行語大賞

金賞

「別にいいじゃん」

4月20日(火) ○阪神9−6中日●(ナゴヤドーム)
 阪神1点リードで迎えた6回1死一三塁。バッター・アリアスの場面で、 落合監督は突如ピッチャーをドミンゴから久本にスイッチ。 「えっ!?右のアリアスに左の久本!?」とファンの度肝を抜いた。「これはきっと何かあるに違いない」と誰もが思ったが、 何もなく、久本はアリアス・藤本に連続タイムリーを浴び壮絶KO。1死も取れずに降板した。

 試合後、マスコミはあの継投にどんな意図があったか質問しようとしたが、監督は「別にいいじゃん。抑えにいって打たれたってだけのこと」 と一言。
 そんな風に言われてしまったら、もうこれ以上は追求できない。監督がいいって言ってるんだからきっといいんだろう。この実にのほほんとしたシンプルなコメントは、アンチ落合を「ふざけるな!」と激怒させ、落合信者には「さすが落合だ!」とキャッチ・ザ・ハート、すっかりメロメロにしてしまった。

 以降、学生の間では親や教師に「どうして点数が悪いんだ!」と聞かれれば「別にいいじゃん。勉強はしたけど、点数は取れなかったってこと」、 サラリーマンは上司に「昨日までにやっとけって言っただろう!」と言われても、 「別にいいじゃん。残業したけど、出来なかったってこと」と、世間に一大「別にいいじゃんブーム」を巻き起こした。

「別にいいじゃん」

↑ インジャン・ジョー
銀賞

「悪いのか?」

7月20日(火) ○読売9−7中日●(ナゴヤドーム)
 先発はプロ初先発の長峰、しかも中2日。 首位争いの相手である読売に対し、あまりの大胆策に「なぜ?」「どうして?」の声の中、落合監督は 「(長峰の先発は)予定通り。悪いのか?」とサラリ。 そ、そんな、「悪いのか?」と聞かれて「悪いです」と答えられる記者さんはおりませんて。

 以降、学生は夜遊びで遅くなっても「こんな時間まで何やってたんだ!」 と親に叱られても「(遅く帰ったのは)予定通り。悪いのか?」と平然と答え、 新婚夫婦は「キー!あなたこのYシャツの口紅は何よ!?」と嫁がヒスを起こしても、 「(キャバクラ通いは)予定通り。悪いのか?」と冷静に答えるようになったという。

「予定通り!」

↑ 布袋通り(新潟県村上市)
銅賞

「君たちにはわからなくて結構!」

5月11日(火) ○ヤクルト4−3中日●(ナゴヤドーム)
 この敗戦で中日は単独最下位に転落。監督は試合後の会見で、 「井端のサードゴロが一番の収穫。君たち(報道陣)には分からなくて結構!」 と言い放ち、アンチ落合の各マスコミはもちろん、 大本営までがこのコメントを嫌味たっぷりに報道した。 しかし翌日の同カード、ご指名の井端が4の4の大活躍で最下位脱出に貢献。 試合後、井端は 「昨日、監督にああ言ってもらえて、自分のやってることが間違いじゃないと自信を持った」 と激白した。昨日の監督の言葉の真意は、“調子の悪いときは右打ちを狙ったり小細工などしないで、思い切って引っ張っていけ。それでアウトになってもそれは結果論。アウトかヒットかより、自分のバッティングが出来るかの方が大事”という井端へのアドバイスだった。

 それを理解できず小馬鹿にした記事を書いた大本営を始めとする各マスコミだが、思えばこれをきっかけに、「ああ、落合監督の言葉には深い意味があるんだ。これからはもっと考えて記事を書こう」と考え方をあらためた記者と、「ちくしょう、恥をかかされたぞ! グヤジ〜!! こうなったら意地でも落合叩きをしてやる!!」と監督を逆恨みした記者とに、落合に対するマスコミの態度は二派に分かれた気がする。

 以後、受験浪人は「大学を落ちたのが一番の収穫。君たちには分からなくて結構!」と胸を張り、有馬記念で武豊から買って撃沈した人は 「馬券を外したのが一番の収穫。君たちには分からなくて結構!」と強がるオケラが激増した。

「おっぴろげジャンプ!」

↑ 君たちにはこれでけっこう(仮面)!

その他のエントリー作品

川崎の先発は1月3日に決めていた。このチームを変えるために必要だったんだ。チーム全員で先発した彼の背中を押してやることがな。(4月2日、○中日−広島●)

140試合勝とうとは思ってませんから。負けて得るものだってある。負けから何を見つけるかなんだ。課題がわかればいい。ただ読売打線はまったくイメージ通り。うちなら抑えられる。オレが言うんだ、間違いない。 (4月6日、○読売−中日●)

人間が投げてるんだ。悪いときだってあるよ。1試合や2試合でバタバタしなさんな。これまであいつにどれだけチームが助けられてきたことか。それを考えないといけないだろ。 (4月17日、△横浜−中日△)

・川崎だけの責任じゃないけどな。川崎にはチャンスを与えるよ。このままで終わることはない。何度でもチャンスは与える。川崎に限らずな。 (4月30日、○横浜−中日●)

・川上はよく投げた。(投球内容も)よかったよ。エースが9回を投げて1失点。それで負けるなら仕方ないだろ。(5月8日、○阪神−中日●)

・長くやってりゃ、いろんなことがある。壁に当たって、その都度ぶち破っていくしかない。それで一流になる。いい試練だよ。(岩瀬の2軍降格は)まるっきり考えていません。ここで環境を変えたら、同じ壁に当たった時、また変えなきゃいけない。落とすのは簡単だけど、そのことで受けるダメージの方が怖い。我慢? 野球はみんなそう。我慢比べだよ。(5月14日、○横浜−中日●)

・試合でも練習でも、極力プレッシャーを選手にかけないようにと考えている。これまでこのチームは打たなくては怒られ、初球を打っては怒られっていう野球をやってきた。今までにない野球を今年はやってる。野手も投手陣も故障続きの中での5割は評価できるんじゃないのか。みんなよくやってるよ。(5月19日、雨天中止)

負けには引きずる負けとそうでない負けがある。この3連戦で3連敗はしたけど、そうショックじゃない。引きずっていない。大丈夫だよ。心配していない。 (6月3日、○読売−中日●)

・あと1本が出ないから負けるの。負ける時ってのはそんなもんなの。これまでのうちの負けた試合はみんなそうだろ?1・2・3番が打てない、機能しないって言われても、全部は打てない。1試合や2試合、打てないことはある。欲目で見ちゃいけない。選手に期待はしても欲目で見るな。あと1本がすべての場面で出たら、140試合全部勝つよ。 (7月3日、○横浜−中日●)

ヒット9本で1点しか取れないのは、ベンチのミス。きょうの負けは、それ以外何ものでもない。もうちょっとしっかりと攻め手を考えれば、こういう結果にはならなかった。負けてから反省しても仕方ないけどな。(8月12日、○読売−中日●)

・野口? 使ったオレが悪い。本人は悪くないよ。こちらは場を与えてあげることしかできない。そこでどうするかは、本人次第だ。(8月21日、○横浜−中日●)

・高橋光はうちの代打の切り札に育てていかなきゃいけないし、あいつも必死にやっている。 (9月7日、○中日−読売●)

「僕ら選手は将棋の駒みたいなもん。与えられた仕事をきっちりするだけです」(上記場面で代打を出された井上のコメント)

将棋の駒・井上

↑ 駒

審査員特別賞

「皆さーん、元気ですかー!!」
「それでは早速、行ってみよ〜!!」
「ハイ!」
「6・4・3・併殺!!!」
 「初芝はロッテであり、ロッテは初芝である」 「初芝はゲッツーであり、ゲッツーは初芝である」 など数々の名言を生み出した2ちゃんねる@初芝板。 その中でも最高傑作といえるのがこれである。

 元ネタはもちろんアントニオ猪木の 「みなさーん、元気ですかー!!」 「1・2・3、ダァーーーッ!!」 であるが、千葉マリンスタジアムでランナーを一塁に背負って初芝がバッターボックスに立つときは、 何処からともなく 「みなさーん、元気ですかー!!」 の掛け声がかかるという。

初芝

↑ プレーで笑いの獲れる選手・初芝(ロッテ)