Dragons Be...

7月12日(土) 山田監督、意地の新井敬遠!


7/12(土) 1  2  3  4  5  6  7  8  9  R 
中日 3 1 0 0 0 0 0 0 0 4
広島 0 0 2 1 0 0 0 3 x 6
【中日】 平井-山北-バルデス-落合-●遠藤-岩瀬
【横浜】 黒田-○デイビー-S永川
 目前に近づいていた勝利が、するりと逃げた。

 いや、「逃がしてやった」といえばより正確だ。

 なにせ、1死一三塁でバッターは6番の新井。
 新井は今季から金本の抜けた4番を任されたが、 チャンスどころで全く打てず、打率は2割を低迷、 この日ついに6番に降格されたばかりだった。

 だがしかし。ここで山田監督は2割バッターの新井を敬遠 という仰天作戦を敢行、 続く野村・森笠の3割バッター二人との勝負を選んだのである!

8回裏 状況 打者 打率 得点圏 結果 投手
-- 町 田 .247 .182 死球 遠藤
無死一塁 シーツ .315 .350 右安 遠藤
無死一三塁 前 田 .300 .333 一ゴ 岩瀬
1死二塁 新 井 .221 .184 敬遠 岩瀬
1死一二塁 野 村 .326 .382 右2 岩瀬
1死二塁 森 笠 .314 .345 一ゴ 岩瀬
2死二塁 木村一 .278 .310 遊ゴ 岩瀬


バカっつら!(ミルク)

「バカっつら!!」


 「歩く1アウト」とも、「走る2アウト」とも、「存在自体が3アウト」 ともいわれる新井を歩かせた結果、 岩瀬は野村に勝ち越しの2点タイムリーを浴び轟沈した。

 しかし、これを山田監督の「采配ミス」と断じるのは、いささか早計である。

 だって、3割バッター、得点圏打率も3割を超えてる打者が2人も控えているのに、 得点圏打率1割8分、チーム内外にも「12球団一勝負に弱い4番バッター」 で知られる新井を敬遠だなんて、常識で考えてあり得ない。

 あり得ない!あり得ないもの!!

あり得ない(栞)

「あり得ない! Tomorrow Never Die!!」


 もちろん、山田監督はバカではない。ちゃんとした「作戦」があったのである。


☆  ☆  ☆  ☆



 広島がファースト・ステージを5位と低迷したのは、 はっきり「4番・新井」が原因であることはわかっていた。
 広島には、 木村拓・シーツ・前田、浅井・野村・森笠と、 その気になればスタメンに3割バッターを6人 並べられるタレントが揃っている。  なのに、山本浩二監督はバカみたいに「4番・新井」にこだわり続け、 負け続けたのである。
 そして開幕通算73試合目のこの日、ようやく、ようやく、 ようやく新井を4番から6番に下げる決断をしたのであった。

72試合遅い!!


 山田監督は思ったはずだ。
    「眠れる鯉が目覚めたな…。 もしこのまま、新井が6番、あるいはベンチとなると、 セカンドステージ最大の敵は…広島になる!」
 と。

 そう、山田監督の狙いは、 「山田竜は新井の打撃をおそれている」 と山本監督に思い込ませ、明日の試合、新井を4番に復帰させることだったのだ(!)。
 新井を敬遠することにより、山本浩二に 「しめしめ、中日さんは新井が苦手と見える。 ようし、明日は4番・新井で勝負じゃあ!」 と思ってくれればしめたもの。 翌日に控えたオールスター前のラスト・ゲームで「4番・新井」を仕組み、 最終戦を(中日にとって)確実な白星で飾ろうとしたのだ。
 山田監督は、たとえ今日のゲームを捨ててでも、 明日のゲームの勝利を優先したのである。ああ!なんと深い謀略の士・山田久志よ!!

 そして、新井は敬遠された。

 続く野村の勝ち越しタイムリーを見ながら、 山田監督の目は、決して悲観的になってはいなかった。

     「これでいい、これでいい…。これで明日は新井が4番だ。 明日勝てば、全てチャラなのだ。 大事なのは、オールスター前の最後の試合、 すなわち明日の試合を白星で終えること。 オレの長い選手経験が知っている。 勝って終わるのと、負けて終わるのでは、 選手のモチベーションに天と地ほどの開きがあるのだ!!」


☆  ☆  ☆  ☆


 翌日、オールスター前の最終戦、広島−中日の第18回戦は、 雨天のため午後2時に試合中止が発表された。

7/13(日) 1  2  3  4  5  6  7  8  9  R 
中日 x                 0
広島                   0
- 雨天中止 -

【中日】 --
【横浜】 --


順位表 (2ndシーズン)
順位 試合 勝率 ゲーム差
1位 阪神 10 9 1 0 .900 --
2位 ヤク 10 8 2 0 .800 1.0
3位 広島 3 2 1 0 .666 2.5
4位 中日 9 3 6 0 .333 2.0
4位 読売 12 4 8 0 .333 0.5
6位 横浜 10 2 8 0 .200 1.0
(7/13現在)

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