Dragons Be...

6月28日(土) 届け、エディへの思い


6/28(金) 1  2  3  4  5  6  7  8  9  R 
読売 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
中日 0 0 0 0 0 0 0 1 X 1
【中日】 ○山本昌-大塚-S岩瀬
【読売】 ●林-真田
 71試合目に突入したチームから順次に下期ペナントレースをスタートする 「ローリング・スタート方式」 のセリーグ、 中日はこの日、セ3チーム目の「セカンド・シーズン開幕」を迎えた。
 開幕投手はやっぱりこの人、頼れるベテラン・山本昌である。
やっぱり山本昌がやる
 沈没する船からネズミが逃げ出すように 次々と離脱していく朝倉・川上ら若手投手陣を尻目に、 今年39歳になるベテランが老体にムチを打っての開幕投手。
 息子のように年の離れた読売・林(19歳)との投手戦は両者一歩も譲らず、 このごろは守備で笑いを取ろうとする立浪 が今日も三塁スタメンで味方投手の危機感をあおれば、 谷繁は今日もランナーいるいないに関わらず状況を無視した扇風機となって、 べテラン同士の激しい足の引っ張り合い で味方ピッチャーにはいい緊張感を、若手には悪影響を与える。

 「タツもシゲもしょうがないなあ。ようし、俺がやるしかないか!」

 と気合の入った山本昌が、8イニングを投げて3安打0失点の好投、 開幕戦にふさわしい投手戦となった。


 そして、8回表まで両軍0−0の均衡を崩したのは、やはりこの男。 クセ者(smel-man)・元木だった。

 8回裏、1死ランナー一三塁、バッターは井端。 給料が谷繁の半分以下でも谷繁の3倍の技術をもつ井端 は、ここでセオリー通り右打ち。 あいにくのゲッツコースとなるが、しかしここで元木が何を思ったかゴロを捕球後、 フォースアウトになるはずの二塁ベース上に投げず、 一塁ランナーの関川を猛然と走って追いかけ始めたのだ。(!?)

     「関川さん!  女子アナと再婚したんですって?
     詳しく話を聞かせてくださいよ!
     合コンしましょうよ、合コン!!

 と、元木がテレビ東京と日テレの女子アナ合コンを企画している間に、 三塁ランナー谷繁がホームを陥れ、 中日はもうけものの1点を先取したのであった。
関川さん、待ってぇ〜
 1点をリードした中日が、8回まで完封の山本昌を気持ちよくチェンジ、9回のマウンドに大塚を送る。
 しかしこの大塚が、ギャラード顔負けの “ゲキジョー” (日本人がクローザーを侮蔑するときに用いる差別擁護) を発動させ、あっという間に1死一二塁のサヨナラのピンチを迎えると、 今季は 「クローザー・リリーバー」という新しいポジションを確立した岩瀬 が登場、打者2人をきっちり撃って獲り、試合をクローズしたのだった。


9回裏
二 岡 -- -- 三振 大塚
高橋由 1死 -- 2塁打 大塚
清原 1死 2塁 死球 大塚
ジーニ 1死 1.2塁 三振 岩瀬
江 藤 2死 1.2塁 左フライ 岩瀬


 「だったら最初から岩瀬を出せばいいのに」 「無駄に大塚のプライドを傷つけただけの試合だった」 と一見して思えるが、そうではない。 この継投には、山田監督の深い、深い意図が隠されているのだ。

☆  ☆  ☆  ☆

 このところ、抑えのギャラードが精神的に参っている。 5月以降、ギャラードはクローザーとしての仕事をきちんとしているにも関わらず、 ファンはスランプだった4月時のことをいつまでも持ち出し、 「ギャラードは信用できない!」、たとえ無失点に抑えても、 ランナーをたった一人出しただけで、 「また始まったよ!ゲキジョーだ!」 と、(嬉しそうに)ギャラードにブーイングを浴びせたのである。
 「オーツカが打たれても何も言われないのに、俺はヒット1本で裏切り者呼ばわりか…」

 ギャラードはこのファンによる「ガイジン差別」に、すっかりナーヴァスになっていた。 ときにはメジャーの常識では考えられない「クローザーのイニング途中交代」も経験し、 ボス・ヤマダへの不信感は増大していたのである。

 だがしかし。
 山田監督には、深い考えがあった。

 シーズン直前、大塚を獲ったことで当然予想されたファンによる“ガイジン差別”。
 「エディなんてガイジンより、日本人の大塚を使え!」 という声が上がるだろう事は予想できた。そして、実際にそれは起こった。
 山田監督があらかじめエディに冷たい仕打ちをしていたのは、そのためだったのだ。 クローザーのプライドを傷つけるふりをして、 後に日本人の大塚にも全く同じ仕打ちをすることで、

 「日本人もガイジンもない。俺たちは同じドラゴンズの仲間だ!」

 ということを、エディにアピールしたかったのである。

 山田監督の深い思いやりにより、やがてエディの誤解も溶けるだろう。
 ファースト・シーズンに見え隠れしたチーム内の「不協和音」が消えていく。
 さあ、お待ちかねのセカンド・シーズン開幕だ。下期は虎に13.5ゲーム差をつけて優勝するぞ!!

順位表 (2ndシーズン)
順位 試合 勝率 ゲーム差
1位 中日 1 1 0 0 1.000 --
1位 阪神 1 1 0 0 1.000 0.0
3位 読売 2 0 2 0 .000 1.5
-- ヤク 0 0 0 0 -- --
-- 横浜 0 0 0 0 -- --
-- 広島 -6 0 0 0 -- --
※ヤクルト・横浜・広島はまだ開幕せず。(6/28現在)

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